TINY MUSIC LIFE

音楽を仕事にする方法やビジネス論、考察や小ネタなどをお届けする音楽情報ワンパーソンメディア。by TINY RECORDS八木橋一寛

音楽業界についての考察

「演奏時間」というサービス提供時間の告知がない音楽コンサートの特殊性について

世の中で販売されている商品やサービスには、その内容についての保証や詳細が書かれていると思います。 食べ物であれば成分であったり、洋服であれば素材であったり、サービスであればその条件や期間であったり。 ライブコンサートの場合、チケット購入時に…

サザンのライブ配信の成功と、小西康陽氏のDJ配信後の発言に見る無観客の未来【コロナ禍】

緊急事態宣言も開け、さらに活発化を見せるライブ配信。 そんな中、2つの気になるニュースがありました。 一つは、サザンオールスターズの無観客配信ライブの成功の報。 もう一つが、ピチカート・ファイヴの小西康陽さんのDJ配信後のコメントです。 このブロ…

娯楽費から通信費へ。音源にかかる支出の感覚の変化について

クレジットカードの明細を見ていてふと思った事があります。 「Spotifyなどの音楽配信サブスクリプションの月額利用料金って、登録後はある種無意識に支払っているなぁ。」 と。 そして、その支払う感覚としては、スマホやWifi、Dropboxのような通信固定費に…

スパソニ(SUPERSONIC)のクラウドファンディングに委ねられた音楽コンサート再開の未来

9月に開催予定となっているSUPERSONIC(以下スパソニ)がクラウドファンディングを昨日2020年6月18日正午よりスタートしました。 コロナショック以降、すでに多くの音楽イベントやライブハウスによるクラウドファンディングは行われていましたが、この規模の…

まだまだ取り切ってはいない、音楽ライブイベントのパイと潜在顧客

コロナ禍で厳しい状況の続く、音楽ライブイベント。 ですが、コロナショック前まで、音楽ビジネスの中では成長ビジネスとして語られいました。 多くの根拠や可能性に支えられた”成長”だと考えられますが、ひとつには非常にシンプルな大前提が挙げられます。 …

ミュージシャンが活動時に定義・共有すべき「売れる」というゴール設定

売れたい。 バンドマンでも芸人でも役者でも絵描きでも、表現者や芸術家の多くが目指し、願う目標だと思います。 しかしながら、ひとくちに「売れる」と言っても、どんな状態を指しているのかは、案外人それぞれだとも感じています。 そして、たった1人でこ…

ライブハウスのノルマ問題。その仕組みや善と悪について

ライブハウスのノルマの是非。 幾度となく、論じられているテーマです。 この議論は、ノルマを課せられる出演者側と、ノルマを課すライブハウス側との立場に分かれて繰り広げられています。 結論から言うと、ある種の究極的なポジショントーク合戦である為、…

コロナ禍での唯一の希望?VIP(高単価)チケットは音楽ライブ業界を救えるか?

依然として、出口も見えず苦しい状況の続くライブイベント業界。 そんな中、ようやく緊急事態宣言が解除となり、動員規模によっては段階的に観客を入れたライブイベントの再開のメドは立ってきました。 当然そこには一定の距離を保つことや、十分な換気や消…

SNSやサブスクで人気が可視化・数値化される事で生じる音楽アーティストの新たな二極化について

SNSや音楽配信サブスクリプションの台頭により、「誰もが発信者になれる」と言われ始めてから随分年月も経ちました。 その事を音楽アーティストの目線で考えると、非常に大きく多くのチャンスが与えられる環境だと言えます。 但し1点、懸念に近いひとつの可…

音楽サブスクリプションはアーティストにとって有効な収益源となるのか?

音楽サブスクリプションサービスの台頭から、もう何年もの時間が経過しました。 リスナー目線だけで考えると、メリットはあってもデメリットはないように感じます。 何しろ、月額さえ支払えば、いちいち買いに行く必要もないですし、小額で多くの音源を聴く…

批判高まる著作権管理団体、JASRAC (ジャスラック)の問題点とは?

JASRAC(ジャスラック)。 と聞いて、ポジティブなイメージを持つ音楽ファンはあまり多くはいないかもしれません。 詳しく知るにはかなり小難しく長い話になってしまうので、今回は「そもそもJASRACってなんなの?」、「なんのためにあって、何が問題なの?…

CDやレコード。フィジカルな音楽ソフトは絶滅するのかしないのか?

データ販売やサブスクリプションサービスの台頭により、今やその存在意義自体が問われているCDやレコードなどのフィジカルな音楽ソフト。 この数年はCDの売り上げチャートを見ても、その多くは握手券や投票券などの付加価値の付いたタイトルがずらりと並んで…

【音楽業界への就活】音楽系専門学校は就職や仕事に役立つの?

実際、音楽業界で仕事をしていると、音楽の専門学校を卒業した方もたくさんいらっしゃいます。 知人・友人にも専門学校の先生が多数います。 現場仕事などでは、生徒さんとやりとりする機会も業務柄少なくありません。 しかし、私自身は音楽に関わる仕事を20…

日経のフジロック中止記事の誤(フライング?)掲載についての考察

今日5月22日、フジロック中止の文字がSNS上に飛び交い、Twitterではトレンド入りもしていました。 日本経済新聞が情報ソースとなっており、私が気が付いた時には当該記事は既に削除となっています。 私も以前、音楽ニュースサイトの運営をしていた事もあり、…

コロナ収束後も音楽業界に残る影。協賛・出資が集まらない?

アフターコロナやウィズコロナが、どの業界においてもキーワードになって久しい昨今。 新型コロナウイルスそのものが、この先どこまでの猛威をふるい、いつ終息するのかは神のみぞ知るところ。 だからこそ、withやafterについて今から各々が考えているわけで…

軽視されるポップミュージック業界〜サブカルからカルチャーへのすすめ〜

ひとくちに"音楽"と言っても、多様なジャンルが存在します。 このブログで"音楽"や"音楽業界"と書く場合、基本的には"ポップ・ミュージック"の事を指しています。 現在のコロナ禍において顕著ですが、それ以前から長らく、ポップ・ミュージックやそれに伴う…

音楽業界最大のイノベーション「野外ロックフェス(夏フェス)」

野外音楽フェスティバル。 私が意識的に音楽に興味を持ったのは、1993年か1994年あたりでした。 それから自分がリアルタイムで体験した20数年間だけでも、音楽業界では様々な変化がありました。 その中でも、最大のイノベーションは野外音楽フェスだったと思…

音楽アーティストに直接聞いて感じた、コロナ禍やSTAY HOMEで募るライブへの渇望。

ライブハウスの記事でも記した通り、音楽業界にとってはネガティブでしか無いため、あまり書きたくはないコロナ関連についてです。 と言っても、今回はそこまでネガネガはしない内容になると思います。 「音楽業界は何がどう変わってもアーティストが主役で…

アイドルの物販にみる秀逸な収益モデル

アイドルはお好きでしょうか? かくいう私は数年前まで毛嫌いをしていました。 毛嫌でしたので、特に理由はありません。申し訳ありません。 今はというと、結構好きです。 きっかけは、4年程前に勤務先で主催する音楽フェスで、行きがかり上、アイドルの担当…

未経験から音楽業界で働く方法ってあるの?

音楽業界で働きたい気持ちや興味はあるけれど、音楽関係の専門学校へも行ってないし、音楽業界でのアルバイト歴も無い。 そんな理由で諦めたり、二の足を踏んでいる方もいるかと思います。 音楽業界と言っても、「ミュージシャンになりたい!」という事でな…

音楽業界にはAとBがある?明確にすべきポジションについて。

久しぶりにこうしてブログを書いてみると、「難しいなぁ」と感じる事がひとつあります。 同じ記事でも読み手によっては、大きく異なる印象を与えてしまう可能性があるという事。 なぜそうなってしまうのか?といえば、立場が異なるからです。 Twitterなどを…

音楽業界のおおまかな未来予測【収益モデルの変化】

「音楽業界で働きたいけど、見通しの立つ業界なのだろうか?」 と考える方も少なくないであろうご時世。 今回は、その見通しを立てるべく、おおまかな未来予測を立ててみたいと思います。 これから音楽業界に入りたいと考えている方や、すでに働いているけど…

音楽業界での仕事の楽しさや魅力・やりがいとは?【転職を重ねて20年】

好きな事を仕事にする。 というのは古今東西、憧れでもありつつ、 「一番好きな事は仕事にしない方が良い。」 といった議論の対象になったりもする、正解の無い難しいお題目。 はっきりいって、思い通りの仕事ができれば好きな事を仕事にするのが、そりゃあ…

音楽を仕事にする為にミーハー心はあって良いのか悪いのか?

「音楽業界で働きたい!」 という方へ向けて、今回は私の所感を書き綴りたいと思います。 まず自分の事を言うと、”流れ”によりそうなった面が多いです。 音楽系の専門学校にも通ってはおらず(服飾と美容学校は行きましたが)、積極的な就職活動をした事もあり…