今回は音楽に関わる仕事をする楽しさや、そのやりがいについて書いていこうと思います。
好きな事を仕事にする。
というのは古今東西、憧れでもありつつ、
「一番好きな事は仕事にしない方が良い。」
といった議論の対象になったりもする、正解の無い難しいお題目。
はっきりいって、思い通りの仕事ができれば好きな事を仕事にするのが、そりゃあ一番良いに決まっています。
思い通りにいかない場合があるからこそ、
「仕事にはしない方が良い」
という考えにもなるし、だからこそ悩ましい問題なわけです。
うまくいくかなんて、挑戦してみない事には分からないですよね。
そんな訳で、ここではそういったお話ではなく、ただただ純粋に「音楽に関わる仕事をしてきて感じた楽しさややりがい」についてのみ、書き綴っていきたいと思います。
音楽業界の仕事の楽しさ・やりがいとは?
このブログを読んでいるような皆さんは、かなりの高確率で、音楽が好きな方だと思います。
もちろん僕も大好きです。
言うまでもなく、音楽が好きなのですから、仕事としても音楽に関われる事が楽しいという事は想像しやすいでしょう。
僕も良く、
「楽しそうな仕事で羨ましいなぁ。」
といった事を言われます。
「うん、楽しいよ。」
と毎回答えています。
ですが、
「何がどう楽しいのか?」
とは、そういえば考えた事がありませんでした。
ライブ現場の仕事
例えば、私の前職でもある、”音楽フェスやコンサート関係の仕事”。
楽屋周りの仕事や、運営管理をするセクション、チケットや関係者受付などの受付に入った場合はほとんどライブは観られません。
舞台監督などの舞台制作周りのスタッフであれば、ステージや音は目や耳には入りますが、ずっとライブを楽しんで観ている訳ではありません。(ワンマン公演の場合はセクションによっては結構がっつり観れますが◎)
私自身、2〜3日間開催のフェスの場合でも、平均するとライブを観ている時間は1時間あるかないかです。
舞台周りにいても
「次のアーティストのセッティングの進行状況はどうか?」
「ダイブや撮影など禁止行為をしているお客さんは出ていないか?」
とか、何かしたら気にしながらライブを観ているので、”ライブ観たなぁ。”という感覚にはあまりなれません。
が、どの現場でも必ずという事ではないですが、數十分くらいは休憩時間を兼ねて、ライブをある程度集中して観ることはできます。
「あのバンドのライブ、ゆっくり観たいなー。」
とか思いながら働いていたりもするので、カタルシス的な効果も手伝ってか、そんな時のライブはとても楽しいと感じたりします。
仕事終わりのビールのように、
「このために仕事やってるんだよなー」
そんな喜びを倍増して感じる事ができると思います。
そして、最大の喜びややりがいと言えば、これは綺麗事でもなんでもなく、
来場者が楽しそうに過ごしている姿をみれた時。
これに勝るものは本当にありません。
フェス現場などは、体力的にも精神的にもかなりハードなので、「辞めたい」と思う事はきっと何度もあると思います。
それでも会場内の来場者の楽しそうな姿を見れば、「頑張って良かった」と必ず思えるはずです。
レコード会社・レーベルの仕事
レコード会社の仕事は一言で言えば、"音源の制作と販売・販促"になるかと思います。
※近年はマネジメントを一貫するケースも多いですが、大きな区切りとしては。
ライブ 現場の仕事同様、その業務は細かく分かれ多岐に渡りますが、なんと言っても、
楽曲そのものに関わったり、アーティストの成否に大きく関わるプロモーションに関われる事
が醍醐味かと思います。
制作に関われれば、もしかしたら自分の意見が作品に反映されるかもしれませんし、プロモーションとなれば、自分のアイデアで作品が大きな話題を呼んだりもするかもしれません。
もし大好きなアーティストがいたら、そんな風に関わる事を想像をしてみてください。
そして、その作品が高い評価を受けたり、たくさんの人に届いたとしたら。
楽しくない、やりがいがないはずがありませんよね?
マネジメント会社の場合
日本語で言えば、事務所ですね。
先に書いた通り、近年はレーベルとの境目が薄くなってきてはいますが、アーティストの管理をする会社になります。
加えて、マーチャンダイズ(物販)やファンクラブなども、事務所がコントロールする事が多いです。
前述した通り、業務が近づいてきてはいるのですが、レコード会社との大きな違いは、ライブに強く関わる点かと思います。
基本的にレコード会社は、リリース時のレコ発など、音源のプロモーション・タイミングに、そのアーティストと強く関わります。
事務所は、アーティストと運命共同体的なところもあり、マネージャーさんなどはリリース・タイミングなどは関係なく、常にそのアーティストの仕事をしています。
例えば、ライブを行う際の音響や照明、ライブ制作会社、イベンターなどは事務所マターで手配をするケースが大半です。
ライブ出演の際に、アーティストと共に会場入りをして、出演に際するやりとりも事務所が行います。(制作に委託する場合もあります)
アーティストと共にする時間が、他の業種に比べて格段に長い事もあり、例えば
”満員のワンマン・ライブ会場”
”大きな音楽フェスへの初出演”
などでライブをする姿を見れた時には、おそらくほとんどの人が涙を流して喜んでいると思います。
前の
音楽業界で働くのにミーハー心はあって良いのか悪いのか? - TINY MUSIC LIFE
の方でも書きましたが、それで言うともっとも「献身」を必要とする業種かもしれません。
まとめ
他にも、レコード店や出版会社、チケット会社、ライブ会場等々ありますが、今回は”ライブ現場”、”レコード会社”、”事務所”の大きく3つの業種に絞って、その楽しさ・やりがいだけにフォーカスして書いてみました。
一口に”音楽業界”と言っても、業種も多く、働く会社や現場、社内での役職などで、見える世界が大きく変わってしまうと思います。
なので、このブログ全体に言える事ですが、「自分のやろうとしている仕事に当てはまらい」とか「音楽の仕事をしているけど、自分の印象とは違う」というケースは多々あると思います。
今回の記事については、そういった相違があまり生まれないような、根源的なこの仕事の楽しさややりがいを挙げたつもりです。
多分、誰が読んでも異論はほとんどないのではないかと思っています。
私も多分、ここに挙げたそれぞれの理由によって、まだこの仕事をしているのだと思っています。
では、また◎