TINY MUSIC LIFE

音楽を仕事にする方法やビジネス論、考察や小ネタなどをお届けする音楽情報ワンパーソンメディア。by TINY RECORDS八木橋一寛

未経験から音楽業界で働く方法ってあるの?

楽業界で働きたい気持ちや興味はあるけれど、音楽関係の専門学校へも行ってないし、音楽業界でのアルバイト歴も無い。

 

そんな理由で諦めたり、二の足を踏んでいる方もいるかと思います。

 

音楽業界と言っても、「ミュージシャンになりたい!」という事でなければ、練習や資格が必要な業界では無いので、それらの経験はなくても問題ありません。

 

「このブログを読んだら必ず音楽業界で働けます!」

みたいな怖いことは言いませんが、考え方・動き方のきっかけくらいにはなると思うので、是非読むだけ読んでみてください。

 

はじめに

"音楽業界"と言っても、入るまでのプロセスは基本的には一般企業など他業種と大きな違いはありません。

採用情報を探す→応募→面接

これは一緒です。

 

比較的、人の入れ替わりのサイクルは早い業界なので、中途採用が非常に多い業界です。

そう言った意味では、未経験から飛び込める受け皿は広いと言えます。

 

また、音響・照明などのテクニカルスタッフを除けば、特殊な勉強や資格は必要ありません。
※"要普通免許"という条件の会社は多いかもしれませんが、私は持っていません汗。

 

「じゃあ、音楽の専門学校って意味ないの?」

と思われるかもしれませんが、既に挙げた音響、照明やエンジニア 、映像、など勉強や練習をしてスキルを身に着ける必要のある業種には、当然行く価値があります。

 

ですが、レコード会社やマネジメント会社、イベンター、ライブ制作会社、音楽メディア、プレイガイドなど、多くの業種では必ずしも専門学校へ行く必要は無いですし、職務未経験でも問題はありません。

 

もし、本当に働きたいという気持ちがあれば、一度まず、 仕事を探してみてください。

 

音楽業界の中でも何がやりたいか、向いているかを考える 

「自分は音楽業界で何がやりたいのか?」

これをまず整理してみてください。

 

"ライブが大好き"であればライブに関わる業務が良いでしょうし、"アーティストに直接関わってサポートがしたい"であればマネジメントが良いでしょう。

文章を書いたり分析するのが好きであればメディアやライターが良いでしょうし、ITやマーケティングに興味があれば音楽配信プラットフォームやプロモーション系の職種が向いているかもしれません。

 

好んで音楽業界を選ぶのですから、その中の業種も好きな事を選ぶ方が良いでしょう。

未経験なのですから、どの業種を選んでも確率に大差は無いはずですから。

 

 採用情報を探し、入社面接を受ける

やりたい事、向いている事が定まったら、採用情報を探してみてください。

一般的なリクルート系やIndeedなどの情報サイトでも載っていますし、MusicmanやCINRA.JOBのように音楽業界に特化したものもあります。

また、多くの企業の公式サイトには"採用情報"というページがあるはずです。

入りたい会社まで絞れていれば、是非その会社のサイトの採用情報ページをチェックしてください。

 

他にも同じように未経験で応募をしている人がたくさんいるはずです。
未経験だからと遠慮することは無いので、働きたいと思える会社があったら応募をしてください。

会社により書類選考はあると思いますが、書類選考や面接のコツなどはちょっと専門外なので、そこはなんとか頑張ってみてください。。

ライブ現場やマネジメント系の会社の場合は特に、快活さ・元気の良さが好まれたりはするので、しっかりハキハキと受け答えはした方がいいとは思います。(どの会社もだいたいそうですかね苦笑。)

ちなみに私は若い頃から全く快活さは無いので、そういう方もダメなわけでは無いはずです。

アルバイトやボランティアスタッフなどでまずは経験をつける

採用面接を受けたけど、やっぱり未経験からなのか、一つも決まらなかった。

という場合もどうしてもあると思います。

 

もし、正社員への採用審査であったとしたら、音楽業界に限らず、そもそもどの業界でも高確率では通らないでしょうから。

 

収入面では満足がいかないかもしれませんが、アルバイトやボランティアスタッフで経験を積むという方法もあります。

方法もありますどころか、あくまで私の周囲の話にはなりますが、このパターンの方が大半です。

 

大手のレコード会社などでもアルバイトやインターンは良く採用していますし、経験を積んで改めて採用試験を受けるまでもなく、そのままその会社に本採用してもらえるケースも少なくは無いです。

 

経験を積む方法

はっきり言って無数にあります。

御多分に洩れず、音楽業界も人材不足ですから。(特に現場系の人材不足は嘆かれて久しいです)

なので今回は、私の周りで実際に良くあるパターンをいくつか挙げてみます。

 

ライブハウスでアルバイトをする

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個人的な見解からすると、結構な王道コースです。

ここで挙げる中では一番のオススメと言えるかもしれません。
私自身も一応、"就職"で言うとこのパターンな面もあります。

 

東京都内の状況しか把握しきれていないので、東京の話にはなりますが、ライブハウスは比較的年中アルバイトの募集をかけています。

経験を問われる事もあまり無いと思います。

今は東京の場合は最低賃金も保証されているので、べらぼうに薄給って事も無いと思います。

 

ホールスタッフ(受付やドリンクスタッフ)はシフト制で回している為、シフトに穴が開かないようにスタッフ数はある程度必要な業種なので、募集は多く見つけることはできますが、最初はもしかしたらあまりシフトを組んでもらえないなどはあるかもしれません。

でも安心してください。肌感覚でしか無いですが、ライブハウスの店長さんは優しい方が多いので、しっかりと頑張っていれば、すぐにたくさんシフト組んでくれると思います。

 

このライブハウスのスタッフから、マネジメント会社やレコード会社、イベンターやライブ制作会社から引き抜かれて転職をした実例を数えきれないくらいに見てきました。

 

"未経験でも問題ない"と書きましたが、即戦力を求めている会社も多いです。

ライブハウスには、多くの音楽業界の人が日々出入りしています。

その出入りする関係者の方々は当然、その際にライブハウスのスタッフの動きを目にしたり、時には会話をしています。

ある程度ライブハウスでの業務がこなれてきていれば、「いい動きしてんな、アイツ」と目に留まりやすいです。

そして、音楽業界は慢性的に人材不足です。

ちょうど人手が欲しい時に、「あのいい動きしてたアイツ、誘ってみようかな」と思い出してもらい、声が掛かるわけです。

 

また、ライブハウスで行われている一連の業務は、基本的にはどんなに大きな会場でも、その業務の流れに大きな違いはありません。

ライブハウスの仕事が一通りできるという事は、公演業務の大まかな流れを理解している事でもあるので、ある種の即戦力として考えてもらいやすいのです。

 

ボランティア・スタッフをする

次に、ボランティア・スタッフです。

残念ながら、"ボランティア"なので、収入は得られません。
ただし、これも捨てたものではない手段だと感じています。

 

多く見かけるのは、音楽イベント/フェスのボランティア・スタッフです。

大きなフェスなどでも毎年募集はありますし、小・中規模のフェスやサーキットなどでも募集は良く目にします。

但し、「ボランティア・スタッフをやっていました!」では、"経験"としては強くは考えてもらいにくいかもしれません。

 

ボランティア・スタッフにおいては、積極性を持った上であれば有効だと考えています。

 

もし、主催者と直接話ができる規模のイベントであれば、積極的に話かけて欲しいです。

話ができるないような場合でも、周囲のスタッフに質問や雑談をしたり、持ち場をこなすだけでなく、イベント全体でスタッフが何をしているのかを意識して見てください。

 

アピール材料になる"経験"としては弱いですが、リアルな知識や経験としては得るものはあるはずです。

 

また、収入にはならない"ボランティア"を好んでするような方は、とても音楽愛ややる気がある人だと思います。(一部タダでライブ観たいという人もいるのかもしれませんが。。)

こういった機会に友人になっていると、時には仕事を紹介してくれるような横の繋がりになるかもしれません。

 

イベントではありませんが、以前私がやっていた音楽メディア(イベントもやっていましたが)のボランティアスタッフ(と言っても私自身もボランティアですが汗)は、ライティング経験として大手の音楽メディアにその後転職をしていました。

 

人材派遣系の現場アルバイト

CMや交通広告などでも良く目にする、"人材派遣系のアルバイト"です。

登録制で、好きなタイミングである程度働くことができ、日給も悪く無いのもメリットかと思います。

私自身、10代の頃に、どこかのホールで椅子を並べるアルバイトをしましたが、1日だけで辞めてしまいましたが。。。

なので実体験からの提案では無いのですが、現場での場内整理や警備、設営などの会社では、このアルバイトからそのまま社員になられているケースも見受けられます。

他にも、そのアルバイトで振り分けられるセクション次第にはなりますが、例えばイベンターや制作会社などの社員から指示をされて働く現場もあり、その会社からお声がかかるケースも幾度も目にしています。

確率論的にはやや下がるのかもしれませんが、音楽業界で働くためのアルバイトとして選ぶのは悪く無いと思っています。

 

自分で音楽イベントを主催してみる

「急にハードル高いな。。」 
と思った方もいるかもしれません。
が、全然そんなことはありません。

小さなイベントで良いのです

ライブハウスの項目でも書きましたが、小さなイベントでも大きなイベントでも、大まかな流れや作業に変わりはありません。

 

できれば、バンド編成の出演者に出てもらうイベントが望ましいですが、DJイベントでもアイドルイベントでも構いません。

 

会場を抑え、出演交渉を行い、告知をして、タイムテーブルを組み、ステージ資料を集め、当日出演者をアテンドし、会場に必要情報を伝え、来場者を出迎える。

どんなに大きなフェスでもこれは同じです。

 

大きな経験になるでしょうし、何度か真剣に取り組めば、劇的に交友関係も広がるでしょう。

順調にイベントが育ち認知されていけば、関係者からお声がかかる場合も多くあります。

何より、"音楽イベントを自主企画する"ということは、続けていればその熱意や行動力をわかりやすく外側に伝えることができるのです。

基本的に音楽業界の人は、熱意や行動力が大好きです。

 

とにかく知り合いを増やす

「また、アバウトな苦笑」
と思われますよね。
でも大真面目です。

これは前項の"イベントを主催する"とやや被ります。

 

なぜ知り合いを増やすのが音楽業界で働く道になるのか?

"真面目に期待を裏切らずに仕事をする人間"という信用さえ相手が持ってくれていれば、人手が足りない時に声をかけてもらえます。

当然、知り合いが多い方がその可能性は上がります。

 

そして一番は、"人は周囲の人間に影響をされる"からです。

知り合った友人達が、前向きに新しいことをスタートしたり、今やるべき仕事を頑張っているのを見聞きしたら、"自分も頑張らなきゃ"と思うはずです。

同じ目標を持つ相手であれば、有益な情報交換だってできます。

 

時には嫌な人だな。と思う相手もいるでしょう。

ですが、実はこれがかなりモチベーション維持には効果的で、「見返してやりたい」とか「ギャフンと言わせたい(今は誰も言いませんね苦笑)」といった感情はあらゆる感情の中でも、特に強いモチベーションになりやすいのでは?と感じています。

 

そんな風に、良い知り合いもたとえ悪い知り合いでも、他人はいわば、頑張る源や指標を自分に与えてくれるからです。

 

次に、「じゃあ、その知り合いってどこで作れば良いの?」

という話です。

 

たとえ東京であっても、世間はことのほか狭いです。

今でこそではありますが、私が新しく知り合う知り合いって、だいたい知り合いの知り合いです笑。

 

音楽業界で、多くの人に会いやすいのはやはりライブハウスです。

少し極端に言いますが、1ヶ月間毎日、自分の好きなジャンルのライブや好きなライブハウスに通いつめてみてください。そしてできるだけ会場スタッフや物販でアーティストのスタッフに話しかけてみてください。DJが入ればDJにも話しかけてみて下さい。

おそらく、それだけでちょっとした有名人になれますし気に入ってもらえます。

そして気に入ってくれた人が次々にまた人を紹介してくれます。

 

月に3回、1年間ライブハウスに通うのであれば、30日間連続して通う方が人の印象に残ります。

例えば、「あのラーメン屋、結構通ってるのに全然覚えてくれないなー」という事ってあると思います。

あれは、店主からすれば、30日に4回の来店であれば多くのお客さん同様たまに来店する人になってしまうので覚えにくいですが、毎日通えば「毎日来てくれてるな」と記憶してもらえるのです。

商品のプロモーションなどでも用いられる手法ですね。

 

一応の注意点で、

「仕事のために知り合いを増やしまくる!」

と、あまり肩に力は入れない方が良いとは思います。

 

知り合うみんながみんな、仕事をする上で有益な相手ではないですし、そんな相手であったとしても、今すぐに何かをしてくれるって事もあまりないと思います。

良い付き合いを多くの人としていると、"忘れた頃に"、自分に返って来るくらいに思っていた方が健全ではあります。

 

まとめ

 他にも、

"とりあえず肩書きを名乗ってみる"

という私の"超秘奥義"もあるにはあるのですが、参考にならないと思われそうなので、今回は割愛いたしました涙。

 

重要なのは、身も蓋もないかもしれませんが、とにかく動いてみる事です。

家で考え込んでいても何かが始まることはないですから。

 

ライター志望の人は、好きなバンドや曲を紹介するブログをはじめて見ても良いと思います。

どうせ家にいるなら、SpotifyやYoutubeで知らない音楽を片っ端から聞いてみるとかも悪くないと思います。

写真に興味があれば、小さなライブハウスなどに行って「撮らせてください!」とお願いしてみるのも全然アリだと思います。

 

万一、変なヤツだと思われたって、別に良いじゃないですか。

むしろ、そう思わせたら勝ちです。

 

どんなに大きな会社や組織であっても、突き詰めれば"人と人"、"個対個"で世の中は回っています。

経験や知識、人間力を蓄えて、熱意を絶やさずに行動を続けていれば、気が付いてくれる"人"が現れます。

 

偉そう、かつ自己啓発熱血鬼コーチのような記事になってしまいました。。

「偉そうに、なんぼのもんじゃい!」
と感じられた方は、私をギャフンと言わせる事をモチベーションにしてください汗。

 

では、また◎

 


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