TINY MUSIC LIFE

音楽を仕事にする方法やビジネス論、考察や小ネタなどをお届けする音楽情報ワンパーソンメディア。by TINY RECORDS八木橋一寛

ごく私的2020年振り返り

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「お買い物として一番のトピックはコレ!」と掲げる筆者...

んなご時世でも流石に年末という事で、この1週間ほどはパーティー三昧で更新が数日滞ってしまいました。

 

「次はこれについて書こう。」

と思っていた事柄があったのですが、気がつけば今日は大晦日。

平常通りに粛々と記事を書くタイミングでもないかと思ったので、今日はざっーっと2020年の振り返りをしてみようと思います◎

 

ですが、今年はこれまでの人生で最も自分の中でのトピックが少ない一年だったので、既に書く事があるのか少々不安です。苦笑

 

 

ビフォーコロナ(1月〜2月)

今年の仕事初めは業務委託を受けているライブハウスでの1月4日のDJイベントから。

仕事初めと言っても、身内でわいわい新年会ノリで音楽とお酒を楽しむような内容なので、仕事という仕事は1月10日。

 

EGGSというレコチョク・ドコモ・タワーレコードが運営している新人発掘系の音楽コンテンツ主催イベント「DADARINRIN」のプレパーティー。

続いて1月12日には本編となる恵比寿リキッドルームでのイベント開催でした。

 

前日も前々日も深夜イベントがあったので寝不足全開で迎えた当日で、主にアーティストのコーディネートやイベンター業務で関わったのですが、出演ラインナップも面白く1年の皮切りに相応しいものだったと思います。

 

1月17日には3ヶ月連続開催をした「JAMESON ROCK NIGHT」2回目の開催、バンドのインタビュー仕事などを挟んで、2月20日に「JAMESON ROCK NIGHT」の3回目。

ここで、忍び寄っていたのが新型コロナウイルス感染拡大でした。

直前にクライアントから開催可否の確認があり、私はそれに対して「感染対策の上、やりましょう!」と即答し、開催を決行しました。

 

この時点で既にマスクや消毒液が入手困難になっていたり、イベントによっては開催を見合わせるものがパラパラとありましたが、会場の方でマスクや消毒液のストックがあった事や、まだまだ多くの人はイベントへの来場控えをするタイミングでは無かったので、出演者のキャンセルもなく満員の場内でイベントを終える事ができました。

 

ウィズコロナ(3月以降)

しかしながらその直後から急激に風向きが変わり、3月に入ると多くのコンサートやイベントが中止になり、中頃になると小規模会場でのライブでさえもほとんどが中止になるという状況に。

 

私自身が仕事として請け負う予定だった公演も軒並み中止となり、かろうじてごく小規模なDJイベントは行えましたが、3月27日を最後にそれすらも出来ずとなりました。

 

無論その理由は4月7日より緊急事態宣言が出された為です。

延長を重ねこれが解除されたのは5月31日。

 

報道等でご承知の通り、クルーズ船以外で最初のクラスター発生源として名指しされたライブハウスは、格好の批判の餌食となりました。

緊急事態宣言という非現実的な状況も、パンデミックも現代を生きる全ての人にとって初めての経験なので、冷静さや合理性を欠いてしまうのは仕方がないとは思いますが、今思い返してみると、いささか当時のライブハウス叩きは異常だったと思います。。。

(あの時のアンチの方々は今どう過ごしてしているのでしょう...。)

 

10月の時点で以下のような閉店した35店舗のライブハウスをまとめた記事も書きましたが、わずか数ヶ月でこれだけの店舗が潰れるというのは、私個人の感情や印象としてはパンデミックそのもの以上に脅威でした。

何しろ音楽を生業にしていましたし、音楽業界のキャッシュポイントはライブ現場にシフトしていた最中ですから、ライブを止められてしまうと私も多くの仕事仲間や知人も打つ手がありません。

特に緊急事態宣言下では、観客を入れないライブ配信さえも行うことが許されませんでした。

(配信ライブをしていたら、近隣住民に「営業するな」的な張り紙をされたというニュースもありましたしね。)

 

緊急事態宣言が明けてからも、【ライブハウスは悪】そんなムードに大きな改善はなく、ライブハウスだけでなく身の回りのアーティストからも困窮の声を聞くようになってきました。

 

このタイミングで私に少しでも出来そうな事はと考え、アーティストや関係者のモチベーションの維持と、世の中(せめて音楽ファンだけでも)のムードチェンジが必要だという発想から、14組のアーティストに話を伺いました。

アーティストの考える"STAY HOME"とその先にあるもの。vol.1 | FREAK

アーティストの考える"STAY HOME"とその先にあるもの。vol.2 | FREAK

アーティストの考える"STAY HOME"とその先にあるもの。vol.3 | FREAK

そして、クラウドファンディングくらいしか有効な手立てがないライブハウスの状況や、そこで働く人の気持ちを伝えることができればと、以下の記事では4人のライブハウススタッフ(やオーナー)に話を伺っています。

いやぁ。我々にとっては地獄のようです。苦笑

 

度々このブログでも触れている通り、音楽業界と言っても大きく分けると"音源"か"ライブ"のどちらをキャッシュポイントとした業種かで大きく明暗が分かれます。

加えて言うと、"音源"のみで十分な収益を確保できる音楽アーティストというのはほんの一握りです。

 

一般的に「売れている」とされているアーティストの中にも、CDなどパッケージ販売が衰退した現在では、ライブ稼働を削がれてしまうと食いっぱぐれてしまうアーティストは山ほど存在します。

 

とはいえ、音楽そのものの魅力は普遍ですし、それを求める人がいなくなる訳ではありません。

音楽による次のビジネスモデルを見つけさえすれば良いはずで、私は次に音楽業界以外のビジネスパーソンにインタビューを行う事でそのヒントを求めました

このインタビューが読んだ方にどの程度のマインドチェンジをもたらせたかはなんとも言えませんが、私自身にとっては自分の見ている先が間違ってはいないと後押しされるようで非常に有益でした。

 

小規模ライブハウスにおいては、今日現在は営業自粛を続けているという店舗はほとんど無いかと思います。

しかし、出演するアーティストや来場者が完全に戻ってきたかと言えばNOです。

(アイドルなど"接触"が強い求心力になっている一部アーティストは別ですが。)

 

フェスや大規模コンサートにおいては、このブログでも度々取り上げた通り、未だその多くが中止や延期を繰り返しています。

関連して、音楽業界内での希望退職や人員整理の話も度々耳にしています。

 

大きく一言でまとめてしまえば、音楽業界(特にライブエンタメ)に関しては「何も好転していない」と言っても大きく外れてはいないと思います。

 

最後に(まとめ)

2020年をこうして振り返ってみると、コロナの影響を大きく受けてしまった私たち音楽業界の人間にとっては、どうしてもネガティブな回想しかできませんね。苦笑

書き始める前から分かってはいましたが、ほぼコロナに始まりコロナに終わるといったところで...。

 

このブログも元々は「音楽業界で働きたい人に向けて、その楽しさや有益な情報を。」という意図で始めたので、音楽業界の地獄ぶりに触れなければならないというのは本当に不本意でしかありません...。

 

しかし、無理やりポジティブをひねり出すという事ではなく、ほぼ間違いの無い事実として、音楽業界全体が生み出す売上高そのものは、今後大きく減少を続けることはなく、ほぼ変わらず横ばいになると思っています。

 

ゴールドマンサックスは2030年までに倍増するとまで言っているくらいですしね。

ただ、その売上を生み出す会社や業種が今までとは大きく変わるとは思うので、転職のしやすい若い方ほど、音楽業界に飛び込むチャンスかもしれません。

 

音楽が好きな方にとっては、他のどんな仕事をするよりも幸福度の高まる業界である事は間違いないので、「ヤベェ。うっかり音楽業界目指しちゃったよ...。」とは思わずに、世の中やビジネスを学び続けると未来は明るいかもしれません◎

 

という訳で、4月からスタートしたこのTINY MUSIC LIFEでは、175記事をアップしました。

一記事平均の文字数も4000字を超えていまして、我ながら良くそんなに書くことがあるなと思います。笑

 

そんなハイペース&大ボリュームの記事を読んでくださっている皆さま、ありがとうございます&今年もお世話になりました。

 

来年はだいぶ動きがありそうなので、引き続きご贔屓にしていただけると幸いです。

きっと損はさせませんので。笑

 

ではまた来年◎

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