TINY MUSIC LIFE

音楽を仕事にする方法やビジネス論、考察や小ネタなどをお届けする音楽情報ワンパーソンメディア。by TINY RECORDS八木橋一寛

音楽業界で働くために必要なスキルと心構えについて

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音楽業界で勤務中の筆者...

「音楽業界の仕事がしたいと思っているのですけど、持っておいて方が良い資格や技術ってありますか?」

 

少し前にインスタグラムのDMで、そんな質問をもらいました。

 

結論だけを言えば、一部の技術職を除けば必須な資格や技術というのは音楽業界の場合はありません。

 

その為、いざこの問いに答えるとなると回答の難しさがありましたが、その時に自分なりに答えたり考えたアンサーを、参考までにここでもまとめてみたいと思います。

 

 

やりたい業種の絞り込み

この質問を下さったのは、おそらく10代後半〜20代前半の音楽業界未経験の女性でした。

回答をするにあたり、音楽業界といっても、レーベルで働きたいのか事務所なのかコンサート業界なのかメディアなのか、その業種を尋ね返しました。

 

とは言え、最初に書いた通り、音響や照明、カメラマンなど特殊技能を伴う技術職を志望しない限り、特別必要なスキルはありません。

 

ただ、完全な未経験での中途採用となるとハードルが高まる事はあるので、やりたい業種や入りたい会社によっては、「こんな事ができます。」、「こんな事をやっていました。」と説明のできる経験を積んでおいたほうが良いとは思っています。

 

仮に、"音楽業界で働きたい"という漠然とした希望のみを持った場合には、音楽業界にはどんな職種があるのかは事前に調べて、思い描く音楽との関わり方をイメージして方向を定めてみるとスムーズかもしれません。

 

一方で、やってみないと実状や自分に向いているのかは分からない部分があるのも間違い無いので、「どうしても正社員として就職したい!」ということでなければ、アルバイトやボランティアスタッフでも良いので、実際にその業務に触れてみる事を私はいつも勧めています。

 

音楽業界で働く目的・目標の明確化

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就職を目標とする場合には

音楽業界で働く事を希望する際には、大半の方は音楽関係の会社へ就職する事を考えると思います。

 

他の業界と比べると、音楽業界は新卒採用の比重が低めの傾向はありますが、学生の方であれば求人票などから応募・面接という他業種と変わりのない就職活動をする形になります。

 

新卒となれば、未経験者の採用になるので高学歴である事に越したことはありませんが、そもそも新卒採用を行なっていない会社もとても多いので、新卒での就職活動で採用を見送られたとしても、その後に中途採用で入社できる可能性は十分にあります。

 

その場合は当然、即戦力になり得ることをある程度は説明ができた方が良いので、先に書いたように音楽関係の仕事のアルバイトや、別の仕事をする中でオフの時にボランティアスタッフをするでも良いので、音楽の仕事に触れる努力は必要になってきます。

 

「アルバイトやボランティアで経験と言えるの?」

と思われるかもしれませんが、音楽業界の場合は十分に言えますし、面接時にその経験はほぼ間違いなく考慮してもらえます

 

例えば私の場合、音楽業界での就職活動をしたことは一度もありませんが、好きで続けていたレコード店経営や音楽イベント主催などを評価してもらい、大手コンサートプロモーターへ就職をしています。

 

私だけではなく、周囲のレコード会社や音楽事務所などで働く友人・知人の大半も、ライブハウスなどのアルバイトや、イベントやメディアのボランティアスタッフをきっかけに音楽業界へ就職しています。

 

この傾向は小規模な会社の話だけではなく、大手レコード会社や事務所であっても変わりはありません。

 

実現目標を優先する場合には

このケースは少数派かもしれませんが、「就職よりも、こんな事がやりたい!」という明確な実現目標を持たれている場合は、少々動き方を変えても良いかもしれません。

 

例えば、「自分でイベントを立ち上げて大きくしたい!」「インディーアーティストをマネジメントしながら大きくなりたい!」「レーベルや事務所を立ち上げたい!」など、目指すものが就職ではなく、目的の達成であるという場合です。

 

「安定した収入や社会保障、ボーナスだっていらない!」

くらいまで覚悟が決まっている方であれば、とにかくその情熱を絶やさずに動き続ける事が何より重要だと思っています。

 

もちろん、こういった実現目標がある場合でも、音楽業界へ就職して業務や作業を学んだり、その会社に所属する事で広がる人脈も大いにあるので、就職をした上で取り組むのも良策です。

 

何れにせよ、非常に人脈がモノを言う業界ではあるので、意識的に自身を知ってもらう努力をして、多くの方と知り合う事が近道になるはずです。

 

過去に以下のような記事も書きましたが、実現目標がある方の場合には、そんな風に出歩いて顔や名前や何をやりたい人なのかを知ってもらって損をする事はありません。

私の周りにも、自身でフェスを立ち上げ主催をしたり、音楽レーベルや事務所を立ち上げたり、ライブハウスを開業したりする方は沢山います。

私自身も、最初は自身でレコード店や音楽イベントを立ち上げたり、音楽メディアやレーベルを作ったりしていますので、どちらかと言えば完全にこのタイプになります。 

 

一つ確かなのは、一定以上の成果を上げられている方は、立ち止まったり諦めたりすることなく、粘り強く実現目標に向けた仕事をやり続けている方ばかりです。

なので、モチベーションのアップダウンが激しい方や、すぐに諦めてしまうというタイプの方にはもしかしたら不向きと言えるのかもしれません。

 

必要な資格や技術

必要なスキルは特に無いとは書きましたが、あった方が良い物はいくつかあります。

そもそも、今回の質問者さんはここを聞きたかったはずなので、ここまで書いたような情報や経験則よりも、これが知りたかったはずですしね。苦笑

 

ですので、回答としては以下をお伝えしました。

  • 自動車運転免許
  • 英会話力
  • 基本的なPCスキル
  • 行動力・社交力
  • 自身をPRできる得意分野を明確にする

下2つはスキルとは少々異なりますが、厳密には「資格ややっておいた方が良い事はありませんか?」という質問だったので、この5つを回答としてお戻しさせていただきました。

 

どれも必須という訳ではありませんが、中でも運転免許については多くの業種で必要となる事があるので、持っておいた方が間違いなく良いです。

 

間違いなく持っておいた方が良いのですが、私、持っていません、、、。

なので、無くても大丈夫ではあるのですが、応募資格が"要普通免許"の場合は少なくありませんし、ライブ関係の仕事であれば会場までの移動や備品搬入で車は使いますし、事務所であればアーティストや機材の移動に必ず使います。

 

英語力については、あればシンプルに業務の幅が広がるので、全く必須ではありませんが、あるに越した事はありません。

ちなみにこれも私は持っておらずで、海外アーティストと対峙する事や英語でのやりとりができると有利な場面もこれまでかなり多くあったのですが、その度に「英語をもっと頑張っておけば良かった。。。」と絶望しております。。。涙

 

PCスキルについては、他の一般的な業界同様にWordやExcel程度は必須、できればPowerPointなどの資料作成ソフト、あとはイラストレーターやフォトショップ、プレミアなどの画像や映像編集ソフトがあればなお良しといった程度です。

これは本当に基本的な操作ができれば良いくらいなので、これらのスキルを高めれば業務の幅は広がりますが、事前に分からなくても入社後に都度必要な基本操作を覚える程度でも問題はないと思います。

 

最後の下2つは、既に書いた通りの理由にはなりますが、就職を目標とする場合においても、例えばこの2つがあれば、たまたま出歩いたライブハウスやDJバー等で知り合った音楽業界の方からお声がけを頂ける場合もあるので、意識をしてマイナスは無いと思います。

 

最後に(まとめ)

今回質問をくださった方は、「今は別の仕事をしていて、未経験だけどマネジメントをやりたい。」という事だったので、「その仕事は辞めずにまずはボランティアで良いのでアーティストに関わってみてはどうでしょう?」と回答しました。

 

大手企業となると、ある程度の学歴または職歴が問われるケースはありますが、中途採用が非常に多い業界なので、積み重ねた経験や人脈次第ではなんとでもなる所があると私は考えています。

 

音響や照明といった技術職だとしても、小規模ライブハウスであれば未経験から教えてもらいながら働くこともできますし、専門学校などに通わずともその仕事に就くことさえ可能です。

 

結局は、音楽業界で働くことを諦めたらそこで試合終了ですので、働きたい・実現したいという高いモチベーションを保ち動き続ける事と、即答できる得意なものややりたい業種を見つける事が、アンサーとしては共通する事柄かもしれません。

 

最後は精神論のようですみません。。。苦笑

しかし、他業種に比べるとそこまで競争の激しい業界では無いので、結構精神論だけでもなんとかなっちゃうと真剣に思っているのです。

 

ではまた明日◎ 

PS. 昨日の記事での宣言通り、サムネ画像は"目線"を意識しました。笑

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