SUPERSONIC(スーパーソニック)の開催延期が今日アナウンスされました。
ご存知の無い方に向けて改めてこのSUPERSONICを説明しますと、国内の4大夏フェスに数えられ毎年8月に開催される「SUMMER SONIC(サマソニ)」が、今年は東京オリンピックとの兼ね合いで8月に行えず、開催を9月にスライドし、名称をSUPERSONIC(以降スパソニ)と変えた音楽フェスティバルです。
多くの夏フェスや音楽コンサートが中止や延期となる中、この延期アナウンスがあるまでは、開催を目指す意向を示していました。
開催に向けたクラウドファンディングも行なっており、21,000,000円を超える支援総額を集めています。
過去にこのクラファンや開催意思表明への考察も書いていますので、併せて参照ください。
また、サマソニ同様、海外のアーティストを主体としたラインナップの為、コロナ禍が続く中で開催に向けた最大の障壁は"海外アーティストの入国許可が下りるか"だという事も、以下の過去記事内で触れていました。
緊急事態宣言解除以降、日本国内では感染者数の増加が目立ち、再び自粛ムードの高まる中、スパソニの開催可否は私も含め多くの音楽関係者やファンからの注目を集めていました。
開催延期のアナウンス内容
本日正午に、SUMMER SONIC公式Twitterでは(スパソニの情報はサマソニアカウントで投稿されています)、以下のような開催延期アナウンスがされました。
SUPERSONIC 2020開催延期のお知らせhttps://t.co/a1JlTDkYSB#スパソニ #supersonic pic.twitter.com/ENcDBpD2Pp
— ssonic_staff (@summer_sonic) 2020年8月11日
同フェスティバルの公式サイト上でも、延期アナウンスと主催会社クリエイティブマン代表のコメントが掲出されています。
要約すると以下の2点を延期理由として挙げています。
- 海外アーティストの日本への入国規制の解除の見通しが立たない状況
- 国内外の感染が拡大している状況の中で安全を確保しての開催が難しい
中止ではなく延期という表現をしている通り、来年2021年の開催意思も表明しており、その際は”同じ場所、同時期”の開催を目指すとも書かれています。
既に販売を行なっていたチケットについては、来年の振替開催時に有効、希望者に対しては払い戻し対応を行うとしています。
コロナ禍へ挑んだ開催意思表明
前述のスパソニに関する過去記事でも書いた通り、音楽フェスや大小様々なコンサートが中止・延期となっていく中で、このスパソニの開催に向けた意思表明は多くの関係者やファンへの一つの希望や試金石となっていたと思います。
スパソニサイドとしても、その事を意識した上で、確度としては決して高いものではないと理解しつつ、あえて開催への姿勢を強固に発信してきたはずです。
「このままだと本当にフェスやコンサートが無くなってしまう。」
という強い危機感のもと、奇しくもオリンピックにより夏フェスではなく9月に開催日程がスライドしていた事で、一寸の開催可能性を感じ、それに賭けた勝負という意識を強く持っていた事は想像に難くありません。
代表のコメントの中にはこうありました。
「私達も今年は負けました。」
SNS上でのファンからのコメントには、「負けたとかではありませんよ!」なども見受けましたし、もちろん新型コロナウイルスと私達は勝ち負けを争っている訳ではありません。
しかし、それでも「負けた」という言葉を選んだのは、ある種コンサート業界を背負って開催に挑んだ意識の高さを物語る言葉選びであるように感じました。
延期を受けての極私的な思い
※2011年のサマソニ野外DJブースにて、THEラブ人間の金田君に飛び入りしてもらった一枚
私自身、サマソニに関しては3、4年ほど毎年DJとして参加させていただき、その後は8度の開催を同社スタッフとして仕事をさせていただきました。
10数年間、毎年そんな風に関わってきたので、沢山の思い出があります。
退社からまだ1年ほどしか経っていないので今でも多くの元同僚が勤めていますし、言うまでもなくこのブログを読まれている方以上に思い入れはあるかと思います。
なので、シンプルに確度が低い事は分かっていたとはいえ、とても残念です。
今回のスパソニでは、取材で入る話もさせていただいていたので、数年ぶりのお客さん目線で同社のフェスに参加できることも非常に楽しみにしており、ファンとしての無念さもあります。
海外アーティストの入国制限が最大の障壁になる事は明白ではありましたし、状況的に可能性が低いとは感じていたので、音楽ファンとしてのピュアな願いとしては"国内アーティストのみでの開催"となる事は避けて欲しいとも思っていたので、延期という判断は英断であるとも感じています。(海外アーティストがいてこそのサマソニなので、不在となると”ロス”を強く感じる不完全なサービス提供に映ってしまうでしょうから、、、。)
微かな可能性であったとはいえ、9月に大規模フェスが行える可能性を持てただけでもポジティブな体験でしたし、その事に大きなリスペクトと感謝、そして来年への期待を。
再開目処はいつになってしまうのか?
サマソニやスパソニ、フジロックについては年々国内アーティストの比率が高まっているとはいえ、海外アーティストを主要ラインナップに迎えた希少な音楽フェスです。
開催にあたってはその海外アーティストの入国制限の解除が必須条件となるので、開催実現には各国のコロナ感染状況次第になってしまいます。
これに関しては、祈るほかないのかもしれません、、、。
しかし、国内アーティストによるライブコンサートに関しては、もともと8月に、
『上限人数を5000人としたうえで、屋内は収容率50%以内、屋外は十分な間隔(できれば2m)を取ることで、制限を緩和する』
という制限の緩和も予定されていたので(感染者数拡大により、現在緩和は延期になっています)、現在の感染者数の増加が収まるタイミングが来れば再開可能性が見えてくるはずです。
音楽コンサートやライブ会場への世間の監視の目や風当たりは強いですが、その事によりライブハウスやコンサート業界は、他のどの業界以上に感染対策意識の高い業界だとも思っています。
再開に至るためには、この事がもっと伝え広まると良いのかなぁとも思いますので、微力ながらそんな発信もしていければなと感じた次第です。
タイニーレコーズ八木橋でした。
ではまた◎
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