TINY MUSIC LIFE

音楽を仕事にする方法やビジネス論、考察や小ネタなどをお届けする音楽情報ワンパーソンメディア。by TINY RECORDS八木橋一寛

新木場STUDIO COAST閉館、ageHa終了。理由は10年以上20年以下となる事業用定期借地権の満了?

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館内プール前での筆者の想い出...。

STUDIO COAST(スタジオコースト)が2022年1月の営業もって閉館。

音楽ファンにとっては、なかなかにショッキングな情報が昨日、運営会社のマザーエンタテイメントよりアナウンスされました。

併せて、同会場での深夜帯営業事業「ageHa」の同施設での活動終了も発表されています。

 

私個人的にも多くの皆さん同様、とてもショックを受けましたし、注視すべきニュースとも思いましたので、今回は発表された情報をまとめると共に、私見も交えて書かせていただければと思います。

 

 

閉館理由について

10年以上20年以下の事業用定期借地権の満了

閉館の理由については、"定期借地契約満了"と説明されており、

「土地所有者との協議、交渉を続けてまいりましたが、誠に残念ながら再契約には至らず1月30日の最終営業日をもちまして閉館とさせていただく運びとなります」

とのステイトメントも出されています。

 

この"土地所有者との協議、交渉"という一文から、運営会社としてはスタジオコーストの営業を継続する意思を持っていたが、土地所有者の合意を得られなかったことが分かります。

 

スタジオコーストは、昨年2020年6月に新型コロナウィルス感染拡大防止による営業自粛の売上ロスを受けクラウドファンディングを実施し、2,200万円の資金を集めたことでも注目を集めました。

 

それから僅か1年強での閉館の報。

僅か1年前まで営業への意欲そのものであるクラファンを行いながらのこの結果ですので、非常に苦しい結果だと思わずにはおれません。

 

"定期借地契約満了"という閉館理由については、10年以上20年以下の借地期間で事業用に建物を建てて利用するための契約となる"事業用定期借地権"の満了だと思われます。

 

スタジオコーストは2002年オープンの会場となりますので、まさにこの "事業用定期借地権"の契約期間上限となる20年での満了となります。

 

再契約に至らなかった理由とは?

残念ながら私はこの定期借地契約について深い知識はないので、20年以降の再契約交渉時に土地所有者との交渉ハードルがどのようなものなのかは語ることができません。

なので、これはあくまでも個人的な憶測でしかありませんが、土地所有者から「向こう20年間、問題なく事業継続をすることが困難である」と判断されてしまったのではないかとも感じています。

 

だとすれば、そう判断させた理由は新型コロナウイルスによるパンデミックに他ならないでしょう。

「アフターコロナにおいて、ライブコンサートのような集客ビジネスは縮小するのでは?」と考える人も少なくないでしょう。

加えて、会場目線でのコンサートビジネスの場合、売上はホールレンタル料もしくは、自社主催公演でのチケットやドリンク売上が大半となり、それらは基本的には"キャパシティによる売上の天井"があります。

 

スタジオコーストにおいては、会場の不足しているキャパシティ2000〜3000人というゾーンに該当する為、コロナ以前まではこの天井に近い売上は立てられていたと推測できます。

 

この前提の上で、土地所有者視点でも考えてみます。

コロナ以降も集客ビジネスは縮小せず、以前のレベルにまで回復したとポジティブに仮定します。

その場合であっても、シンプルに"もっとお金が取れる借主"が次に控えていれば、土地所有者がそちらに貸したいと思うのは自然な考えです。

となった場合、再契約時に契約料が吊り上がる事も考えられますし、そうなった場合には、売上に天井のあるホールレンタル業はその吊り上げに応じることが困難だとも考えられます。

 

※これはあくまでも、私個人がその理由を考える必要を感じて想像したに過ぎない話ですので、全く別の理由かもしれませんので、その点だけご留意くださいね。

 

最後に(まとめ)

Twitterでもトレンドに入っていたニュースですし、ご存知の方が大半とは思いながらも、「この記事で知る方が少しでもいるのであれば。」という事で書いた側面が大きいので、理由の考察についてはおまけ程度に留めていただければ幸いです。

 

私自身、プライベートでも仕事でも、数え切れない回数利用した会場ですので心情として寂しい・悲しいという気持ちもあります。

加えてスタジオコーストの場合、会場としてのカラーや理念を持った個性的な会場だと感じていましたので、単に不足している2000〜3000人のキャパシティ会場の喪失というだけではなく、文化的な喪失感も強く感じてしまいます。

 

しかし、きっとまた別の場所で新たな会場や事業はされる事とは思いますので、しょんぼりし過ぎずに新たな動きに期待をして待ちたいと思います。

 

ではまた◎ 

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