TINY MUSIC LIFE

音楽を仕事にする方法やビジネス論、考察や小ネタなどをお届けする音楽情報ワンパーソンメディア。by TINY RECORDS八木橋一寛

「富裕層しかDJできなくなるのでは?」というちょっとした不安

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それっぽい写真を選んだものの、残念ながら富裕層では無い筆者...涙

ょっとした不安や懸念なので、「そんな未来が来るぞー!」などと主張したい訳では無いのですが、そんな風に感じる事はこれまでもしばしばあったので、今日はそんな可能性のお話を。

 

主張や考察というほどの事でもないので、今日はサクッと短めなお話になると思います◎

 

 

集客に苦戦する各会場

まず、日本国内のクラブやライブハウスでDJをしている人の多くは(おそらく9割以上?)、DJで生計を立てている訳では無いかと思います。

生計を立てるまでとは言わずとも、出演料(ギャラ)をもらう事ができているケースでさえ割合的にはかなり少ないはずです。

 

私の体感になってしまいますが、1990年代中頃から2000年代前半までは、深夜のクラブイベントの多くは十分な来場者を確保していた感覚があります。

しかし、近年は満員の状態の方がレアケースで多くのクラブやライブハウスが集客に苦戦をし続けている事が見受けられます。

 

そこで、会場や主催者による集客ロスの代替策のひとつに、かつてはある程度の高いステータスを持っていた"DJの敷居を下げる"という手法があったように思われます。

つまり、誰でもDJとして参加できる状況を作りDJの母数を増やす事で、一晩におけるDJの頭数を増やして集客を見込むという方法です。

ごく小規模な会場であれば、純粋な来場者からの収益ではなく、出演DJが消費するバー売上を頼りにするケースも少なくはありません

 

私個人的な意見としては、

「DJに興味があるのであれば、一度やってみて楽しかったらもっと練習したいと思うだろうし、まずやって楽しんでもらいたい。」 

そんな考えではあるのですが、パーティーの音楽的クオリティを追求する上では良策とは言えないかもしれません。

身内でただただ楽しくやる分には問題ありませんが、不特定多数をターゲットにするのであれば、クオリティは重要でしょうからね。。。

 

出演回数と比例して増える出費

例えば、以下の記事でも書いた通り、"ロックDJ"というニッチなカテゴリーな活動をしていた私でさえ、かつてはDJでギャラを頂ける機会は多数ありました。(ちなみに一度も自分から欲しいと言ったことはありません)

私に限らず、周囲のDJも同様にギャラを貰っていた人は多かったと思います。

もちろん、それで生計が立てれるような金額ではありませんでしたが、かつてはDJ出演をして財布の中身が減るという事は無かったと思います。

 

理由は当たり前ですが集客が十分に出来ている為です。

というのも、来場者で賑わいお酒も売れていれば、主催者や会場としてもDJが消費するお酒代を売上としては見込んでおらず、むしろ「売上を作ってくれる人たち」という感謝の意も込めて、出演DJは代金を支払わずとも飲ませてくれるケースが多かったです。

 

近年ではこの傾向は薄れていると感じていて、出演料をもらえるハードルは高まり、もらえるにしてもその金額は下がっているでしょうし、DJだからと言ってお酒を飲ませてくれる機会は減りました。

理由は当然、集客が落ちている為です。

 

そうなると、"ギャラももらえず、お酒も自腹で飲む"という参加形式になる訳で、飲んだ分だけ出費がかさむことになります。

しかもモチベーションとしても、観客の少ない中でのプレイという事になるので、満員の会場と比べるとやりがいや満足度も減少してしまいます。

 

少ないやりがいや満足度の中、お金を支払ってDJをする。

言葉にするとかなり悲惨な感じがしますが、おおよそそんな参加環境が増えているとしたら、経済的余裕の無い人はDJを継続する事が困難なように思ってしまいます。

 

これは私の狭い半径内だけの印象ですが、近年DJ出演を多数行なっている人というのは、DJとしての腕や認知度ではなく、やる度に減る財布の中身を許容できる経済力のある人になってきているように感じています。

反対に、経済的な理由でDJの出演数を絞る必要に迫られている人も出てきている気がします。

 

これは否定でもなんでもなく、腕や認知度があっても集客ができないのであれば、会場や主催者からすればお金を使ってくれたり条件にうるさく無い人の方がオファーをしやすくなるのは必然かなと思っています。

 

最後に(まとめ) 

とは言え、良い時代を知ってしまっているだけに一抹の寂しさは感じますし、そう言った意味では湿っぽい話になってしまいました。涙

 

奇しくもコロナ禍まで重なり、DJの条件面の厳しさはその流れを強めるようにも思えます。(配信で代替しようにも、DJの場合は楽曲の権利が障壁になりますし。。。)

そんな事も感じていたもので、今回は「富裕層(とまでは言わずとも経済的な余裕のある人)しかDJができなくなるのでは?」というちょっとした不安について書いてみました。

 

過去記事にも書いた通り、私は完全なる趣味や娯楽としてたまに楽しくやらせてもらえればそれで満足なので、仕事を頑張って自分のお酒代だけは確保したいと思います。

 

ではまた明日◎ 

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