TINY MUSIC LIFE

音楽を仕事にする方法やビジネス論、考察や小ネタなどをお届けする音楽情報ワンパーソンメディア。by TINY RECORDS八木橋一寛

「25年を越えればヴィンテージ」って事で、堂々と90年代の音楽でDJをする事にしています。

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昨晩の筆者...。左はかつてのDJ仲間ですが、後輩なのでパワハラで無許可使用しています...。

日は恵比寿でDJをやってきまして。

 

何度かこのブログでも書いていますが、「DJをやってきまして。」とはいっても、今は完全に趣味・道楽です。

 

"今は"とわざわざ書きましたが、7、8年くらい前まではそれなりに真剣に取り組んでいました。

そのあたりの事については、以下の記事でざざっとですが触れているので、お時間許せば併せてご覧ください。

で、今ではすっかり道楽となったDJについてですが、やるにあたってちょっぴり新たに意識している事がひとつあります。

 

「自分が最も好きで知識のある時代やカテゴリの音源に絞った選曲をする。」

一言で言えばこんなような事です。

 

こう聞くと「そりゃあそうでしょうよ。」と思われるかもしれませんので、これからその説明をさせてください。

 

DJがその場で求められる要素というのはいくつかありまして、集客やフロアを盛り上げるといった分かりやすいものから、一晩(今だと晩はイベントできないですけれど...。)を通して来場者に満足してもらうべく他の出演者とのバランスを飽きさせないように考えたり、新しい音楽に出会えたという喜びを与えたり、何にウエイトを置くかはそのDJの目的・目標次第で異なりますが、おおよそそんな所でしょう。

 

で、私がDJを始めた25年くらい前に抱いた動機は、「こんなに良い音楽があるから聴いてみて欲しい。」が最も強く、集客や来場者の満足度の向上についてはそこまで考えられていなかったと思います。

 

のちに、DJを続けていく中で、会場の規模や出演する環境、注目度も増す事で、途中からようやく自分のDJプレイそのもの以外の事に気がいくようになりました。

 

DJを始めた初期以降は、私はプレイヤーというよりは主催者として音楽イベントに対しては時間や労力を割く事が多かった事もあり、DJや音楽イベントを通じた達成目標を持っていた時期は、集客や来場者の満足度にウエイトを傾けていました。

 

が、今は自分がDJとして関わる音楽イベントに対しては、全く何の達成目標も持っていませんし、極論言えば、何も求めていませんし期待もしていません。

 

で、今。

何も求めてはいませんが、流石に何も考えずにDJオファーをお受けするような無作法な事はしません。苦笑

 

とはいえ、かつてのようにDJプレイの為に日々選曲や繋ぎを考えたり、毎月10万円以上もレコードを買ったり、前日にレコードを丁寧に選んだりに時間を割くことはありません。

 

趣味としての楽しみはあるとは言え、何も求めても期待もしていないものに対して、時間や労力は割けない為です。

 

となった場合に、私が提供できるのは、リリースされるレコードを片っ端から買いまくっていた2010年あたりまでの過去の音楽知識くらいのものです。

 

ただし、音楽というものには時代感やトレンドが存在します。

それを見誤ると、絶妙に時代遅れだったり古い音楽ばかりを来場者に浴びさせる事になってしまい、さぞかしげんなりされてしまう事でしょう。苦笑

 

なので、少しまでは、私も(一生懸命取り組むスタンスでの)DJは引退した身とはいえ、最新楽曲も織り交ぜる努力や意識をしていました。

 

と、やっと本題に入れます...。

 

古着や古道具、アクセサリーなどの古物の世界では、

100年以上経過しているものを【アンティーク】、

25年程度~100年未満経過しているものを【ヴィンテージ】

と定義しているそうです。(アンティークについては法律上もそう定められているそうです。)

 

そう、私の青春時代の1990年代中頃に生まれた音楽やレコードは、もはやヴィンテージなわけです。

 

例えば、実際に1995年前後に一大ブームとなったブリットポップ期のアナログレコードなどは、レコード屋歴を10年弱持つ私からすると、驚くべき価格高騰を見せていますし、同じようにこの時期のバンドTシャツも昨今は数万円で取引されています。

 

私が2000年前後あたりに、70'sパンクやパワーポップのレコードを高値で買っていたのと同じ状況が、1990年代の音楽に対して起こっています。

 

DJの話に戻りますと、絶妙に古いとそのDJに価値も特色もありませんが、ヴィンテージのスペシャリストとなれば話は別になってくるのではと考えています。

 

ちょっと前までは、

「今、このあたりのレコードだけでDJしても悪い意味で懐メロにしかならないよなぁ...。」

と却下していたレコード達が、時間というエイジングによって再び価値を帯びてきたというお話ですね。

 

私のように40歳を超えた人達にとって、いつまで経っても90年代はさほど昔の事だとは感じにくいところがあるのですが、"25年前"と言い方を変えて考えてみると、そもそもフロアにいる来場者が生まれてもいない時代の音楽だったりするのですよね。

 

そこまでくると私にとっては懐メロだとしても、来場者にとっては初めて耳にする自分が生まれる以前の未知の音楽となるケースが増えてくる訳で、純粋に我々が選んだ曲が響いてくれるかだけのバイアス無しの勝負になってくれます。

 

そんな訳で最近は、自分が知識的に不得意な2010年以降の音楽は使わないようにして、意識的に自分にとっての懐メロを使うようにしていますというお話でした。

 

自分としても、多感な時期に最も心震えた音楽を堂々と大きな音で聴けるので、WinWInな都合の良い状態になってくれました。

 

と、それらしく理由付けはしましたけれど、実際に若い人が私のDJで熱狂したり心震えている光景を今の所は見たことが一切無いので、自分に都合の良い解釈をしているだけなんですけどね。苦笑

 

ではまた◎ 

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