自己紹介的に、でもちょっとハウツー的に、音楽業界での仕事としてこれまで取り組んだ具体例を書いていこうという【Works紹介】の3回目です。
こんなご時世ではありますが、このTINY MUSIC LIFEは音楽業界を志したり、興味があるという方に向けて運営している側面も強いので、そんな方にとっての選択肢やHow To、モチベーションに少しでもお役立て頂ければ幸いです。
今回は音楽メディア&イベント「KIWA KIWA」のお話になります。
けったいな名称ではありますが、かなり多岐に色々やっていたので、説明に文字数がかかりそうな嫌な予感が既にしていますが、なるべく手短に書く事を心掛けますね。苦笑
↓過去2回の「Works紹介」はコチラ↓
【目次】
音楽ニュースサイト&イベント「KIWA KIWA」について
2012年に、私が発起人&主宰のような形で立ち上げた音楽ニュースサイトになります。
サイトは今は動かしていないのですが、以下リンクからご覧いただけます。
この「KIWA KIWA」 というケッタイな名称の理由を説明する為には、先にやりたいと思った理由から説明する必要があります。
当時私は、多くの日本のインディーバンドが出演するライブイベントを主催していたのですが、その流れでそれらのバンドのお手伝いもする機会が度々ありました。
そのお手伝いの中には、バンドが作品をリリースする際にメディアに「いついつこういった作品を発売します。」という情報をまとめた"プレスリリース"を作成して送付するという作業もあります。
大手音楽メディアにも作成したプレスリリースを毎回送付していたのですが、これが恐ろしいほどに掲載してもらえませんでした。
当時まだ30歳くらいでイケイケムードが残っていた私はこれに非常に納得がいかない、というより悔しい思いをしました。
「音楽の内容そのものが劣っている訳じゃないはずなのに...。」
これが悔しさの原因です。
そこでイケイケ信長タイプの私が取った方法が、
「載せぬなら、作ってしまえ、音楽メディア」(字余り)
でした。
「思った時には行動を終えていなければならない」というプロシュート兄貴の教えに忠実な私は、すぐさま近しい友人後輩にその趣旨とプロットを伝え、音楽メディア作成に着手しました。
私、名前にはミギーばりにこだわりがないのでなんでも良かったのですが、その名称は、私の敬愛する松田優作が生前口にしていた「キワキワ」から拝借しました。
「Independentの限界(=キワキワ)に挑戦する。」
当初はそんな感じのスローガンを掲げていたと思います。
つまり、素晴らしいアーティストの作品や活動を「インディペンデントだから。」という理由で門前払いする大手音楽メディアに対するアンチテーゼでもありました。
ざっくりと言ってしまえば、「だったら俺らだけでビッグアーティスト作ってやんよ!」みたいな。苦笑
サイトローンチに紐付けた音楽イベント「KIWA KIWA Fes」も同時に仕込んだり、様々なイベントにフード出店をする「KIWA KIWA食堂」をはじめたり、そののちには渋谷で毎週2日だけDJバーを間借りしてリアル店舗のKIWA KIWA食堂をやったりもしました。
レーベル「KIWA KIWA REC」としてCDやアナログレコードのリリースも行いました。
このブログでも何度かさらっと書いていたかもしれませんが、前職にあたるコンサートプロモーターからお声が掛かった事や、一緒に動いていたスタッフも同様に転職をしたり環境が変わったりなどでなかなか集まれなくなってしまったりした事もあり、徐々にフェードアウトするかっこうで現在は稼働しておりません。
また、インディペンデントと大資本の隔たりが薄れ、多様化に向かう昨今では、当時ほど「インディペンデントだから掲載してもらえない。」という事も少なくなっていると感じています。
業務内容について
音楽ニュースサイト「KIWA KIWA」
先に書いた通りの理由から立ち上げたので、掲載するのはインディペンデントに活動をするアーティストを中心に、私を含めたスタッフ陣が「載せたい!」と思える事を掲載ハードルに設定していました。
音楽ニュースの他にも、アーティストによるコラム記事やインタビュー、ディスクレビューなどが掲載され、とにかくガッツだけは溢れていたので、熱気たっぷりのスタッフそれぞれの宣伝活動によって、短期間ですぐに非常に多くのPV数や掲載依頼も届くようになりました。
(今もプレスリリースは沢山届くので、気になるものは目を通していますし、気まぐれで掲載もしています。)
ちなみにロゴは「ロトチェンコ風にして欲しい。」という私の好みをオーダーしたものでした。汗
音楽イベント「KIWA KIWA Fes」
「KIWA KIWA Fes」という名前では2012年と2013年の2回のみイベントを開催しました。
1回目は渋谷clubasiaで12時間ぶっ通しでライブ&DJが出演する形式を取り、500人弱の来場者がありました。
2回目は2Days開催に形を変え、初日は渋谷VUENOS、Glad、Neoの3会場サーキット、2日目はclubasiaで初年度同様12時間ぶっ通しというスタイルで、述べ1000人に来場いただきました。
2回目に至っては、初日と2日目の間の深夜にも近くの渋谷7thFloorでオールナイトイベントをやったりもしていたので、今思うと相当なクレイジー野郎ですね。苦笑
(地方から来場される方もいたので、宿代わりに使って頂けるかと思って開催したのですけどね。)
KIWA KIWA Fesに関しては、大手音楽メディアのほとんどが毎回プレスリリースを掲載してくれていたので、嬉しいけど悔しいという複雑な心境だった事を覚えています...。
ちなみに、私はフジロックラヴァーが過ぎていて、もはやフジロック原理主義のような側面があったので、当時乱立していた「○○フェス」となんでもかんでもフェスと名付けられた単なるライブイベントをあまり面白く思っておらず、皮肉のつもりで「KIWA KIWA Fes」と付けました。とんでもなく嫌な野郎ですね。苦笑
ちなみに、KIWA KIWAは営利団体ではなく、かなり真剣に「素晴らしいのに埋もれたバンドをなんとかしたい。」という一心で集まった有志で運営していたので、諸々差し引いて余剰したお金は全て次の企画に使っていました。
(KIWA KIWAにまつわる経費トータルで言えば、私のポケットマネー持ち出しが非常に多いのですけど...涙)
他にも新年企画の「キワキワジャンボリー」や、ボリュームをコンパクトにしたライブイベント「KIWA KIWA GIG」、複数のライブハウスを開催場所にして架空のライブハウスとしてイベント企画を行う「Remodel」など、ライブイベントはその他にも沢山開催しました。
余談ですが、KIWA KIWA関連イベントで来場特典として配布していた「キワキワトレーディングカード」というインディーバンドでトレカを作るというクレイジーぶりは、晩年まで遺憾無く発揮されていました。笑
DJバー「KIWA KIWA食堂」
名前の通り、フード販売です。
元々は自分達のイベント内のフードとして始めたのですが、のちにお声がかかったり売り込んだりもあって他のイベントやフェスでも出店するようになりました。
たまたま友人経由で「週末、使ってくれる人を探しているDJバーがあるんですけど。」という話が入ってきたので、プロシュート兄貴一門の私は返す刀で「じゃあ使う。」と、渋谷の駅からほど近いDJバーで週に2回、実店舗としてKIWA KIWA食堂を始めたりもしました。
立地や週2回という事も良かったのか、毎回非常に盛況だったのですが、数ヶ月後にオーナーが店自体を廃業するという事で、4ヶ月程度で実店舗は終わってしまいました。
レーベル「KIWA KIWA REC」
こちらも名前の通り、"音楽レーベル"です。
アナログレコードラヴァーな私は、好きな曲はどうしてもレコードで欲しいという、なんともワガママな欲求がありまして、そんなワガママを満たすべく始めたものでした。
7インチを2バンド2タイトル、CDシングルを1バンド1タイトルという僅かなリリースカタログでしたが、非常に私自身は楽しくもあり学びもあった試みでした。
一方で、「"売って"あげられずに申し訳ない。」という強い気持ちが芽生えたのもこの時で、この経験以降、コネや権力、お金を自分の仕事において強く意識するようにもなりました。
このレーベルに関しては、「Independentのキワキワに割とすぐぶつかってしまった。」そんな苦い経験と言っても良いかもしれません...。
ちなみにロゴは「手書きのヘタウマみたいのにしたい。」という私の好みをオーダーしたものでした。汗
最後に(まとめ)
という訳で、今回はWorks紹介の3回目、「KIWA KIWA」編でした。
他にもここに書ききれない、思い出しきれないくらいに様々な施策・企画を実施しましたが、皆さんのWEB可処分時間をイタズラに奪いたくないのでこの辺で。笑
(書き忘れはかなりあるような気がしますが...。)
自分で言うのも非常にアレですが、短期間の活動でしたがこのKIWA KIWAは非常に強烈なインパクトや影響度が持てた試みだったと思っています。
諸事情もありでぼんやりとフェードアウトしてしまったので、やり残しや心残りも無くはないのですが、少数のガッツ溢れる有志だけで運営していたので、ある意味なんだかバンドのような存在・関係性だったようにも思えます。
だとすれば、パッと咲いてパッと散ったKIWA KIWAは、バンドっぽくてそれもまた風流なのかなぁとも。笑
最後に補足すると、このブログ名称はTINY MUSIC LIFEだったり、これから始めるバンドT古着屋の名前もおそらく「TINYなんちゃら」にすると思いますが、TINY RECORDSは私一人でやっていたお店でしたが、KIWA KIWAはみんなでやっていたので、私個人の活動にKIWA KIWAというワードは使わないようにしているのでした。
ではまた次の記事で◎
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