今日はコラム的、というか雑談的な所感をひとつ。
アマゾンプライムビデオの「カリギュラ」という今田&東野MCのオリジナル番組があるのですが、これが私、非常に好きで先日また全話見返してしまいまして。
で、それを改めて観ていて感じた事について書いていきたいと思います。
その番組のひとつの回で、元KAT-TUNの田中聖(これで"こうき"って読むの知りませんでした。汗)が、「あの人は今?」的なテーマで出演&密着映像が放送されているのです。
KAT-TUNの事も田中聖の事も、彼が何故KAT-TUNやジャニーズを辞めたのかも良く知らないレベルの知識ではあったのですが、どうやら現在は(というかその放送時点では)、地元のライブハウスを主戦場にバンド活動を行い、再ブレイクを目指しているという話でした。
ジャニーズを辞め(させられ?)、仕事もなく引き篭もっていた中、地元のライブハウスに声をかけてもらい、そこでバックバンドを入れたラウドロック系バンドのボーカリストとしてミュージシャンとして再起をしているという番組内容だったのですが、正直「めちゃくちゃ勿体ない...。」と引っかかってしまいました。
良く知らない私でも、KAT-TUNがどれだけ人気と認知があるかは知っているつもりです。
それが、現在は100〜500人程のベニューでジリ貧のDIY活動をしており、しかし彼の目標はまたかつてのように大きなステージに立つ事だと語っていました。
「であれば、今の活動内容ではかなり確率が低いだろう...。」
と思うと同時に、
「あなたくらいの認知度と経験値があれば、KAT-TUNと同等とはいかないまでも、音楽で十分な生計を立てるくらいは容易なのに...。」
と思わざるを得ませんでした。
再起を果たしたいのであれば、舵きりを変えるべきだと感じた特に大きな点は以下の2つ。
- ステージでのライブを主戦場にすべきではない
- KAT-TUN時代のファンが本当に望んでいるのは、小さな会場で触れる事ではなくもう一度スターになって欲しい事だと理解すること
まずひとつめについて。
どうも話を聞いていると、田中聖本人のマインドや理想としては、音楽で再び駆け上がりたいという意思が見受けられましたし、ライブを重ねる事で規模を大きくしてホールやドームとステップアップをしたいといった趣旨の発言もありました。
シビアな意見になってしまいますが、KAT-TUNも田中聖も、音楽パフォーマンスを武器にスケールアップができたグループや個人ではありません。
ルックスだったりジャニーズというブランドや資金力・政治力があった上でスケールしてきた為、彼の目指すような音楽を作ったりバンドでライブをするという能力とはまた別の話です。
ライブを大切にする事自体は素晴らしい事ですし怠るべきではありませんが、「ライブでのし上る」と混同するべきでは無いと私は考えています。
まずシンプルに、「なぜSNSやオンラインをもっと活用しないんだろう?」と感じずにはいられません。
元々持った高い知名度という、我々一般人が持ちたくても持てないある種のチート状態にあるのに、「地元のライブハウスが主戦場」では宝の持ち腐れです。
天井知らずにリーチができるオンラインを捨てて、わざわざ小さなライブハウスを選ぶのはもったいないと、見ていて悲しくなってしまいました...。
しかも彼の場合は不祥事での離脱でしたから、オンラインをうまく活用をすれば、炎上マーケティング的に訴求レンジを拡大する事もできたでしょう。
例えば宮迫博之にしても、「舞台から復帰しては?」みたいな声も多くあったと聞きますが、YouTuberを選んで確実に大正解だったと私は思っています。
不祥事が理由にあると、そんな中でも好意的な声がけをしてくれた相手に感謝の念が芽生え、その気持ちに応えたくなるという気持ちは分かります。
しかし、本当に相手のことを考え抜いた場合には、宮迫ほどの一流芸能人に舞台や劇場を主戦場にさせる事はマイナスになる可能性に気がつくでしょうし、田中聖にしても同様です。
宮迫はYouTuberとして、テレビタレント時以上の影響力や本当の意味でのファンを獲得したと思えますが、例えば同様の状況にあった田村亮は、周囲の意見に従い復帰をした結果、騒動以前から大きくスケールダウンしてしまっています。
田中聖はこの話でいう田村亮に似た選択をしているようにも見えたというわけです。
とはいえ、本人の理想やプライドというものは、そう簡単には割り切って考えられるものでは無いという事も良く理解はしているつもりなので、「田中聖、バカだなぁ。」なんてことを言いたい訳では勿論ありません。
しかしながら、目標が「またKAT-TUNの頃のように大きなステージに立ちたい」という話であれば、自分がこれまでに培ってきた武器や評価されていたポイントに向き合い、成功確度を高める思考や活動にシフトしないと今のままではかなり厳しいと思ったのです。
不祥事を原因に事務所を失い世論の風当たりまで強まった状況は、言わば「失うものはこれ以上何も無い」といった状況だと思います。
そんな場合には、守るものも無いのに妙な安パイを狙うより、攻め続けた方が安全な上にリターンも大きいように思えてならないのです...。
二つめの、「KAT-TUN時代のファンが本当に望んでいるのは、小さな会場で触れる事ではなくもう一度スターになって欲しい事だと理解すること」という点について。
番組内では、物販に自ら立ち、自ら機材の搬入出をしたり、実家のクローゼットをレコーディングルームにする様子が放送されていました。
これらは無論悪いことは全くありません。
しかし、ライブを主戦場にするということは、基本的には会場に来場した人にしかリーチができないとも言い換える事ができます。
そして、状況的にはKAT-TUN時代から残ってくれたファンが今の彼の主なファンになっているようでした。
田中聖からすれば、KAT-TUN時代ではあり得ない近距離でファンと交流ができる事に対して、また違った喜びやモチベーションは生まれるのかもしれません。
ファンも最初は「こんな近くで観れたり、会話までできるなんて!」と思うかもしれませんが、そういった気持ちは減ることはあっても増すことはないでしょう。
これを繰り返していくと、往年のファンが徐々に離脱していくばかりで、活動をスケールする事とは反対の結果になるという懸念を感じました。
これも厳しい見方になってしまいますが、KAT-TUN時代の田中聖の最大の魅力はビジュアルでも歌唱力でもなく「トップアイドルグループKAT-TUNの一員」だと事実にあり、それでも残ってくれたファンが最も望むことは、「小さい会場で見れて嬉しい」ではなく、「もう一度スターになって欲しい」のだという事に、強く向き合う必要があると番組を見ながら感じてしまいました。
言うまでもなく、KAT-TUNやジャニーズ所属ではなくなろうと、そこで得た場慣れや立ち振る舞い、受けた刺激は我々一般人とは比べ物にならない大きな財産であり能力になっているはずですから、知名度以外にも大きなアドバンテージを沢山持っているはずです。
なのに、「地元のライブハウスでバンド活動をして、またデカイステージに立ちたいっす!」といった目標や活動内容を目にして、「あなたほどチートレベルでアドバンテージまみれなのに、何故わざわざ一昔前のバンドマンのテンプレートみたいな事しちゃうのよ...。」と、私の胸にもったいないオバケが去来してしまいました。というお話でした。
ではまた◎
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