TINY MUSIC LIFE

音楽を仕事にする方法やビジネス論、考察や小ネタなどをお届けする音楽情報ワンパーソンメディア。by TINY RECORDS八木橋一寛

オリンピック基準では緩和しなかったライブコンサートへの規制

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久しぶりにサムネに登場した筆者...

に多くのミュージシャンや音楽業界関係者が、不満や憤り、そして落胆の声を挙げていますが、東京オリンピック開催とコロナ感染対策による規制や自粛について、どの点についてそう感じているのかを音楽業界関係者目線で整理してみたいと思います。

 

「オリンピック開催の是非」みたいな話ではなく、あくまでも「音楽業界関係者が何について声を上げているのか。」を、その目線に立って説明をするという趣旨になります。

開催の是非については、お金にまつわる本当の事を全て、都や政府が包み隠さず話してくれない事には、判断しかねるところもあると思っていますので...。汗

(それとは別に、そもそも私自身はオリンピックにほとんど興味が無いのでテレビでさえ観ることは無いと思いますが。)

 

 

泡に消えたオリンピック開催を口火としたライブコンサート開催条件緩和への期待

まず前提として、ライブコンサート業界はコロナショック以降、収容人数を大きく制限されていました。

【入場者の上限を5,000人、又は収容人数の半分程度以内のいずれか少ない方】

だったり、この数字が10,000人になったりといっときの緩和もありましたが、例えば5万人キャパでこれまで開催していたフェスやコンサートにとっては5分の1の動員になってしまうわけですから、損失は非常に大きいです。

 

一方で、昨年オリンピックが2021年に延期となって以来、国や都はかなり前のめりにオリンピック開催のマインドを見せ続けてきました。

 

それを感じて多くの音楽業界関係者が思っていたのは、

「開催した暁には、その基準で音楽コンサートやフェスも開催できるはず。」

というものでした。

 

データやアンケート結果があるわけでは無いですが、私の肌感としては、音楽コンサート事業者にはオリンピック開催派の方は多かったように感じていました。

(その後、政府や都の動きをみて、「ふざけるな!」と反対派に転じた方も同時に多いように思います。)

 

しかし、音楽コンサートへの制限の緩和はせぬまま、オリンピックは10,000人上限での開催に踏み切ろうとするなど、オリンピックファーストどころか、「オリンピックしか見えない」状態だったわけです。

(7月12日からの4度目の緊急事態宣言が一昨日アナウンスされたので、結果オリンピックも無観客に向かう形にはなりましたが。)

 

これに憤りを感じたり、落胆をしているのです。

「オリンピックをやろうがやるまいが、音楽コンサートの希望にはならない。」

 一言で言えばそんな気持ちです。

 

一方で、8月に開催を予定し、チケットセールスも順調だった国内最大級の音楽フェス「ロックインジャパン」が開催県である茨城県医師会からの要望などを理由に中止を発表しました。

これに関しては落胆というよりも憤りが強いでしょう。

 

どうしても、同時期に開催される東京オリンピックが比較対象になってきますので、「オリンピックは良くて音楽フェスは何故ここまでの制限受けるのか。」そんな風に感じてしまうのは当然の事だと思います。

 

東京オリンピックも無観客となる影響は?

ただし、その直後に4度目の緊急事態宣言の発出が宣言され、オリンピックも無観客になることがアナウンスされています。

 

前述した通り、オリンピックが例え10,000人上限で開催をしたとしても、「音楽コンサートにそれが適用されるとは言い切れない。」事が見えてしまった以上、オリンピックの開催内容や感染対策内容をベースに、音楽コンサート事業者が希望を強く抱く事は難しい状態ではありました。

 

結果、オリンピックが無観客になる事で、オリンピック最優先の都や政府のスタンスを怒りの矛先に、批判がしにくくはなったと言えるのかもしれません。

 

逆に都や政府とすれば、今後さらに自粛や制限が長引いた際には「オリンピックも無観客にしたんだから、我慢してください。」と強気に言いやすくなったようにも思えてしまいます。

 

現時点で8月22日までの緊急事態宣言が発表されています。

延長の可能性もありますし、5度目がある可能性もあります。

 

ここでオリンピックが有観客であれば、音楽コンサートはその点を指摘し声を上げることも可能でしたが、それが潰えてしまったのは、音楽コンサート事業者目線のシナリオとしては最悪のバッドエンドと言っても良いでしょう。

 

音楽コンサート業界だけでなく、飲食業界などからも同様の意見を散見しますが、「スポンサーや五輪関係者の人流は、我々に強いている位にきっちりと控えてくれるんでしょうね?」というくらいにしか、つつける所が残っていません。

(結果、無観客を選択したに過ぎないので、それまでのスタンスを責め立てる事はもちろん出来ると思いますが。)

 

最後に(まとめ)

もちろん「音楽コンサート事業者」と言ってもその中で業種も様々ありますし、経営状況等もまちまちなので、憤りや不満・落胆をしたポイントは他にもあるかとは思いますが、共通して感じる大きな点としては、おおよそこういったものだと考えています。

 

私個人としては、確かにオリンピック開催に関係する都や政府の姿勢はめちゃくちゃだと思っている一方で、もう少し早い段階でそのめちゃくちゃぶりを察してはいたので、「あぁ、やっぱりか。」そんなアパシー的思いでした。

 

そういったアレコレを抜きに、本当に素朴な疑問として、「オリンピックってそもそもそんなに盛り上がりましたっけ...?」と思ってしまうのは、私がサッカー好き(W杯と比べてしまう)だからでしょうかね。汗

 

と、行きつけの美容室の美容師さんにこの素朴な疑問を投げかけたら、「やるなら絶対に観たいです!」 と即答されたので、マイノリティは私の方なのだなと目が醒める思いでした。(私も結局、音楽関係者バイアスでオリンピックを見ていたのだなぁと。)

 

ではまた◎ 

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