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ライブハウスおよびホールに対する「コロナ感染拡大予防ガイドライン」とは?

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ベント入場者数制限の緩和も行われ、有観客のライブイベントも徐々に再開の兆しを見せる音楽コンサート業界。

 

↓イベント入場者数制限についてはこちらの記事を参照ください。↓

但し、この制限や緩和はライブハウスは除外したものとなっていました。

 

「ではライブハウスが営業を再開する上での新型コロナウイルス感染症対策というのは、何を参照し遵守するのか?」

そんな疑問も湧いてくると思います。

 

「ライブハウス・ライブホールにおける新型コロナウイルス感染拡大予防ガイドライン」

というガイドラインがあり、これをライブハウスやライブホールは参照しているのですが、報道やニュースの大半は大規模イベントに対しての制限やガイドラインを報じている事もあり、あまり知られていないと思いますので、今日はこのガイドラインについて書いていきます。

 

 

「ライブハウス・ライブホールにおける新型コロナウイルス感染拡大予防ガイドライン」とは?

作成者と目的

このガイドラインは、

  • 一般社団法人ライブハウスコミッション
  • NPO 法人 日本ライブハウス協会
  • 日本音楽会場協会

が連名で作成したもので、ライブホール・ライブハウス等店舗における新型コロナウイルス感染拡大予防対策として留意すべき事項を整理した内容となっています。

 

以下のサイトより、全文を読むことができますが、情報量も多く、耳慣れない単語や言い回しも使われていてかなり読みにくいかと思いますので、要点だけをピックアップしてかなり噛み砕いてまとめていきたいと思います。

 

このガイドラインは、新型コロナウイルス感染症対策専門家会議から作成の要請を受け、それに応じて作られたものとなり、随時アップデートされるとの事で、現在は上記の2020年9月25日に改定されたものが最新となっています。

 

前提として対象となるのは、ライブホール、ライブハウス等店舗の事業者と店舗にて公演を行う主催者となり、来場者ならびに出演者や公演に携わるスタッフへの感染拡大の防止を目的としています。

 

店舗内での対応策

まず、収容人数については、従前の収容人数の50%程度と提示されています。

但し、環境音楽、トークライブ、アコースティック演奏、ジャズ、シャンソン、ブルース、フォーク〔以上演奏及び観客の態様が静かな場合に限る〕についてはその限りではないとの記載もあります。

 

その上で前提条件として書かれているのが以下の5項目。

  1. これまでの当該出演者・出演団体の開催実績において観客が歓声・声援等を発し、又は歌唱するなどの実態が見られないもの。
  2. これまでの開催実績を踏まえ、マスクの着用を含め、個別の参加者に対して感染防止策の徹底が行われうるもの。
  3. 発声する演者と観客間の距離が適切に保たれている等、感染防止対策が適切に実施されるもの。
  4. ライブスペースを含む店舗内は余裕を持って座席が配置されており、着席を前提とする営業形態であること。
  5. 公演中にライブスペース内で食事及び飲酒をさせないこと。

要約すると、演奏中はマスクを外す事なく、演者と観客は適切な距離を保つという内容です。

 

加えて、公演毎にドアノブや手すりなどの不特定多数が触る場所の消毒や、公演中の定期的な換気を実施するようにも書かれています。

 

入場時(エントランス)については、全ての入り口に消毒液の設置と、整列時のソーシャルディスタンスを保つ事。マスクの着用率は100%を担保。

現金の取扱いをできるだけ減らすため、オンラインチケット販売やキャッシュレス決済を推奨する旨も記載がありました。

 

公演前の対策としては、入場者の密集を制限する方策の導入を検討するよう書かれており、例として以下のような対策が挙げられています。

  • 入館可能時間、開演時間の前倒し、入館可能者数の制限(入館待機列の設置等)
  • 日時指定予約の導入
  • 大人数での来館の制限

 

気になる来場者に対しての対策・取り組みについては以下になります。

  • チケットシステム等により事前に把握している範囲で、公演ごとに、来場者の氏名及び緊急連絡先を把握し、名簿の作成に努めてください。また、来場者に対して、こうした情報が必要に応じて保健所等の公的機関へ提供され得ることを事前に周知してください。
  • 来場前の検温の実施の要請のほか、来場を控えてもらうケースを事前に周知するようにしてください。
  • 平熱以上の熱がある方、5日以内に平熱を超える発熱をされた方は来場を控えてもらうよう、事前に周知するようしてください。
  • 新型コロナウイルス感染症陽性とされた者との濃厚接触がある場合、過去14日以内に政府から入国制限、入国後の観察期間を必要とされている国、地域等への渡航並びに当該在住者との濃厚接触がある場合は来場を控えてもらうよう、事前に周知するようしてください。
  • 接触確認アプリ(COCOA)、及び各地域の通知サービスの活用を促し、その旨を事前に周知するようにしてください。
  • 出演者と観客が、公演前後・休憩時間等に接触しないよう確実な措置を講じるとともに、接触が防止できないおそれがある公演については開催を見合わせてください。
  • 当該「ライブハウス・ライブホールにおける新型コロナウイルス感染拡大予防ガイドライン」に従った取組みを行う旨を、事前にホームページや SNS にて公表してください。

入場をお断りするケースとしては、以下が挙げられていました。

  • 来場時に検温を行い、体温が 37.5℃以上の場合、または 37.5℃未満でも平熱よりも高いことが明らかな場合
  • 咳・咽頭痛などの症状(軽度なものを含む。)がある場合
  • 新型コロナウイルス感染症陽性とされた者との濃厚接触がある場合、過去14日以内に政府から入国制限、入国後の観察期間を必要とされている国、地域等への渡航並びに当該在住者との濃厚接触がある場合

上記の理由から入場をお断りする場合には、チケット代金の払い戻し措置にも応じるよう求めています。

また、店舗側の提示する感染対策ルール・マナーを遵守できない来場者に対しては、退場を促すよう書かれています。

 

本ガイドラインを受けての所感

ここに抜粋したのはほんの一部です。

というのも、会場・主催者・来場者・出演者や、ライブフロア・楽屋・物販・入場導線について個別に書かれてはいるのですが、ほぼ同じ事が書かれています。

 

一言にまとめれば、「三密を避けろ。」という事が言葉を変えて羅列されているという印象でした。

 

これを読む前に個人的に期待していたのは、入場者数制限の具体的な数字ないしソーシャルディスタンスの具体的な数字だったので、少々拍子抜けしたというのが正直なところです。

 

ただこれも仕方のない話で、この感染防止ガイドラインというのは政府が定めた法律ではなく、専門家会議から「作れ」と要請をされてコンサート関連の社団法人やNPOが作成したガイドラインな訳です。

 

となれば具体的な数字の断定はできるわけもありません。。。

 

つまり、このアバウトな努力義務を元に、各会場や各主催者が自身のケースに当てはめてそれぞれのルールやマナーを作るしかないという事になります。

 

となれば当然、入場者数制限や換気・消毒を徹底する店もあれば、必要最低限の取り組みを行う店も出るでしょう。

 

一応、会場キャパシティの50%程度というのが唯一数字で示された制限にはなるので、キャパ一杯に観客を詰め込むような開催は論外として、マスクの着用と消毒液の設置、一定の換気意識があればこのガイドライン上は問題ないと解釈はできます。

 

来場者視点でこのガイドラインの受け止め方としては、感染にナーバスな方は会場・公演毎に異なる対策意識を事前に調べて選択する他ないでしょうし、そこまでナーバスではない方はマスクの着用と健康な状態で来場する事さえ意識すれば問題なく楽しんで頂けると思います。

(無論、どんなに対策をしていても人と会う時点で感染リスクは発生するという前提の上で。)

 

最後に(まとめ)

今回はこの「ライブハウス・ライブホールにおける新型コロナウイルス感染拡大予防ガイドライン」を読み進めながら並行して書いたのですが、書き始める前にイメージしていたほど具体的な記載もなく、書いていて手応えの無い感じになってしまったというのが本音です。。。

 

個人的な気付きとしては、この輪郭のはっきりしない指針を各店舗毎に判断してリスクを背をわなければならない訳ですから、有観客公演の再開に消極的な会場がある事にも仕方がないと頷けました。

 

というかこういった資料を読むたびに思いますが、なんで伝えたいのに分かりずらい書き方をするのですかね。。。

(このガイドラインの全文を読んだ方なら共感頂けると思いますが。。。)

 

私もこうならないよう、より伝わりやすい文章を書こうと背筋が伸びました。汗

 

ではまた明日◎ 

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