音楽ライブコンサートのセットリスト(演奏曲順)って、その多くは事前に公開されませんよね?
ふと、
「もうちょっと事前公開をするケースがあっても良いのかも?」
と思ったもので、セットリスト事前公開についてのメリット・デメリットを考えながら、今日はそんなお話をしていきたいと思います。
セットリスト事前非公開のメリット
そもそも、何故音楽ライブのセットリストは事前に公開されることが少ないのか考えてみましょう。
オーディエンス目線で言えば、
「次の曲は何だろう?」
「あの曲はやるかな?」
と、その日の曲順や曲目をライブ中にワクワクしながら観ることができます。
アーティスト目線で言えば、非公開により一曲毎に演奏楽曲がサプライズになるので人気楽曲の演奏時には、イントロなどで歓声など大きなレスポンスを受けてライブに盛り上がりが生まれます。
また、複数ステージを並行して行う音楽フェスなどでは特に、人気曲だけを聴きたいオーディエンスを長く自分たちのステージに留めさせる事にも繋がります。
他にも、そのライブで初めて新曲を披露するケースもあり、そんな時には「未発表の新曲を演奏する事」そのものが嬉しいサプライズになる為、事前に新曲を演奏する事を告知するわけにはいきません。
セットリスト事前非公開のデメリット
メリットの多いセットリスト事前非公開ですが、デメリットも存在はします。
その日のライブの演奏曲目が分からないわけですから、いわゆるそのアーティストの楽曲の予習ができません。
つまり、よほどのコア・ファンで無い限りは知らない楽曲が演奏される可能性が発生します。
ライブコンサートに行かれている方にとってはあるあるかと思いますが、マイナーな楽曲を演奏されてオーディエンスがどうノッて良いのか戸惑うといった場面は"予習不足"により発生してしまいます。
事前公開を「楽しいかも?」と思う理由
まず、前提として昨今増えている配信ライブについては、従来通り非公開を基本とした方が良いと考えています。
というのも、ライブ配信は鑑賞と離脱が非常に容易な為です。
音楽フェスでの自身のステージへの滞留について、先ほども非公開にはメリットがあると書きましたが、ライブ配信についてはそれ以上です。
ライトなファンであれば、好きな曲のタイミングだけ視聴する可能性が高まりますし、もう他に自分の好きな楽曲の演奏が無いと分かれば離脱するでしょう。(無料配信であれば尚更。)
対して、実際に会場に足を運んでライブを楽しむ場合については、「事前公開にも良い部分があるかも?」と思ったわけです。
理由の一つは既に書いた通り、事前に演奏曲目が分かれば知らない楽曲を予習が可能となります。
来場者の中に演奏楽曲を知っている割合が増えれば、基本的には場内の盛り上がりに直結すると考えられますし、コロナ禍の今となっては"せっかくの"リアルなライブ現場ですから、盛り上がるに越したことがありません。
(感染対策上、歓声をあげることができずとも心の中での盛り上がりという意味でも。)
また、これはあくまでも自分の場合ではありますが、招待などでライブに行くと事前にセットリストを渡される事が多々あるのですが、その事により楽しさが削がれたと感じた事は記憶にありません。(これは当日会場で渡されるので"予習"とは話が少し違いはしますがそれでも。)
一番の理由はまた別にあります。
「チケットを購入して会場に行きたいという来場動機を作れる」
という事です。
例えば、90年代のUK/USを中心としたインディーロック・バンドが近年多く開催している【アルバム再現ライブ】が顕著かと思います。
「このアルバムをライブで再現します。」
というコンセプト・ライブになる訳ですが、つまりこれはセットリスト(演奏曲目)を事前に公開しているという事とイコールになります。
そのアルバム(や収録楽曲)が好きな人にとっては、確実にその曲をやってくれる事が確約されているので、大きな来場動機になり得ます。
リリース数の多いベテラン・アーティストになるほど、その楽曲の多さ故に好きな曲を演奏してくれる確率は減少しますので、事前に演奏楽曲が分かるというのはファンにとっては有難い面も大いにあるのでは無いかと思った訳です。
反面、「何をやるか分からないというワクワクが減るので知りたく無い!」というファンも少なくは無いとも思いますので、あくまでも「"もうちょっと"事前公開があっても」と、"もうちょっと"を書かせていただきました。
最後に(まとめ)
コロナ禍という事もあり、会場まで足を運んで音楽ライブコンサートを鑑賞するという事はかつてと比べると少々ハードルの高い"特別なこと"になってしまいました。
それであれば、これまでに無い来場動機を何か加えないと来場者数が戻る事は無いと思っていますので、その一つの要素として今回はセットリストの事前公開について触れてみました。
座席があったり、ソーシャルディスタンスの為の立ち位置指定があるような公演であれば、洒落たレストランのメニュー表のようにセットリストを印刷したものを配布しても特別感もあってお土産にもなるので良いかもしれません。
クラシックコンサートなどでは演奏曲目や演奏時間は事前告知された上でチケット購入を検討しますが、ポップ・ミュージックについては過去に記事でも書いたようにセットリストも演奏時間も分からない状態でチケット購入をするケースが多いです。
これまではそれが当たり前にはなっていましたが、そういった当たり前が本当に理屈にかなっているのか、消費者の満足度を高めているのかを再検討しても良いタイミングかもしれません。
結局のところ、そのライブコンサートの主役であるアーティスト自身が、自身のライブを作品と考えているのか商品と考えているかで大きく舵取りは変わるとは思いますが。
ではまた明日◎
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