TINY MUSIC LIFE

音楽を仕事にする方法やビジネス論、考察や小ネタなどをお届けする音楽情報ワンパーソンメディア。by TINY RECORDS八木橋一寛

【Works紹介①】DENIM ACT NIGHT【ライブ&展示イベント】

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開催当日に会場テラスでサボる筆者...

己紹介的に、でもちょっとハウツー的に、音楽業界での仕事としてこれまで取り組んだ具体例を連載的にアップしてみようと思います。

 

私が何をしている人か出来るだけ分かっていただける方が、このワンパーソンメデイア(ブログ)も読みやすいと思いますし、そのご紹介をする中で、

「そんな仕事もあるんだ。」

「実務はそうやってやるんだ。」

という事を音楽業界を志す方に向けて知っていただく事にもなるとも思いますので、どうぞ最後までお付き合いくださいませ。(今日はそんなに長く無いので。苦笑)

 

初回は【DENIM ACT NIGHT】という名前で開催された、音楽ライブ&デニムウェアの展示イベントのお話です。

 

 

DENIM ACT NIGHTについて 

株式会社READY TO FASHIONと株式会社 三越伊勢丹が主催となり、「デニムを通じてコミュニケーションの創造を図る」というテーマを掲げ開催されたイベント。

 

初回開催は2018年3月となり、同年9月には第2回開催、2019年4月には3回目が行われ、これまで計3度開催が行われています。

 

当日のコンテンツは「FASHION」「MUSIC」に分かれ、FASHIONコンテンツでは出店デニムブランドによる展示やデニムを使用したリメイクコンテストが、MUSICコンテンツでは音楽アーティストによるライブ・パフォーマンスが行われます。

 

また、伊勢丹新宿店本館2階では期間限定のポップアップショップも展開され、参加ブランド商品やコラボレーションアイテム、出演音楽アーティストのグッズなどの販売も行われました。

 

初回のラインナップは、CICADA minimal set、JABBA DA FOOTBALL CLUB、Maika Loubté、Rei(Newspeak)、TOKYO HEALTH CLUB、UCARY & THE VALENTINEの6組。

 

第2回目は、chelmico 、JABBA DA FOOTBALL CLUB 、あっこゴリラ 、AAAMYYY、YonYonの5組。

 

第3回目は、ZOMBIE-CHANG、eill、The Wisely Brothersの3組。

 

業務内容について

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第1回開催時のラインナップ画像

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第3回開催時の告知画像

開催3度いずれも、MUSICコンテンツのアーティスト・ブッキングや当日の運営という形で関わらせて頂きました。

 

こういった音楽業界以外の企業主催イベントで音楽ライブを実施する際には、多くの場合、音楽専業の会社やスタッフにその業務が外注されます。

 

実務については、開催前には会場や出演アーティストの提案・交渉・決定が主となります。

本イベントの場合、デニムウェアというファッションを打ち出した企画となる為、その点を加味した会場や出演アーティストをクライアントに選定・提案する事が求められます。

 

開催当日については、音楽アーティストやライブコンテンツに関わる全業務を担当する事となり、具体的な業務としては、楽屋周りの準備やアーティストのアテンド、ステージ進行の管理が主となります。

また、こういった音楽以外の企業主催イベントの場合は、フォトセッションや取材、商品撮影・提供などが業務に加わることも多々あります。

 

加えて、イベントの説明欄でも触れた通り、伊勢丹新宿店本館2階にて期間限定のポップアップショップの展開もあるので、アーティストのグッズの手配やショップ内でのアーティストのフォトセッションも別日に行われます。

ここでもアーティストとの日時調整のリレーションや立会いが業務として加わります。

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初回開催時のポップアップショップ店内ディスプレイ

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第2回開催時のポップアップショップ店内ディスプレイ

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第2回開催時のポップアップショップ店内ディスプレイ②

当日のライブタイムテーブルの作成についても、担当業務内となります。

もちろん、主催となるクライアント側の意向・希望が出てくる事もありますが、アーティストの機材量やセッティング内容によっては開催時間内に収まらなくなる場合もある為、その点を加味したタイムテーブルを組む事となります。

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第1回目のタイムテーブル

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第2回開催時のタイムテーブル

会場のレンタルややり取りも請け負っている為、場内への搬入や展示についても会場的に問題がないか立ち会って確認・調整も行います。

例えば、搬入したい什器などの備品がエレベーターに入るサイズか否かの事前確認や、現状復帰のできる展示方法かどうかの確認、搬入車両の時間帯の調整などです。

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第2回目のFASHIONコンテンツゾーン

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第2回目のFASHIONコンテンツゾーン

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第2回開催時のFASHIONコンテンツゾーン【サブフロア】

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第3回目のFASHINコンテンツゾーン

ライブなどアーティスト周りに関しては、通常のライブイベント同様、開催前に各出演者のステージプロット(セット図)を回収し、レンタルが必要な機材や進行上の引っかかりが無いかなどを確認します。

 

本イベントのような企業主催イベントの場合には、ライブ以外の稼働を伴う場合もある為(この場合は別日での写真撮影や店舗でのグッズ販売など)、そのリレーションや、場合によっては衣装の指定なども依頼・相談をします。

 

大きなイベントになれば運営や制作の体制も変わってきますが、本イベントは一番大きな会場でも渋谷WOMBLIVE(400-500人ほど)でしたので、舞台周りは基本的には会場さんにお願いをさせていただきます。

セット図やタイムスケジュールなどの基本資料を会場スタッフへ共有を済ませれば、他は本番の押し巻き把握や判断を行う程度で基本的には待機となります。

 

ですので、特に問題が起きなければ、本番中が一番ゆっくりできたりもしますし、このイベントの場合は特に、自分の好きなアーティストばかりがラインナップされているので、本番中がそれまでの苦労のご褒美的な時間だとも思っています。

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第2回目でのライブ写真

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第2回目でのライブ写真②

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第3回目でのライブ写真

公演が終了したら残すは撤収作業のみです。

搬出用の車両がある場合には、駐車できる場所に限りがあれば搬出時間の調整や楽屋エリアの清掃などの現状復帰、このイベントの場合はFASHIONコンテンツ用の多くの備品や装飾があるのでその撤収の立会いも行います。

 

会場のレンタルも行っていますので、最後は会場スタッフさんと現状復帰の確認やご挨拶をして本番日は終了となります。

 

イベント終了後は、ライブ写真の撮影があった場合には、アーティスト側に写真の確認をしてもらい使用許諾を取ります

あとは自分の担当する管轄に掛かった費用を整理・計算して最終的な収支書(精算書等)を作成し、請求書やり取りなど決済を済ませたら無事全ての業務は終了です。

 

最後に(まとめ)

書き始める前に思っていた以上に、思いのほか音楽イベントを運営する上での好サンプルになるテキストになったのでは?という手応えも感じたのですが、如何でしたでしょうか?

 

人によっては、「意外とやる事多いな。。。」と思われたかもしれません。

私個人の意見としては、確かに負担は多いとは感じますが、好きなアーティストが出演してくれる場合については多くても楽しさややりがいが大きく勝るので問題ではありません。(加えてファッションも大好物ですし◎)

ただし、クライアントありきのイベントは裁量権が完全に自分にある訳では無い為、実務量よりもそちらの苦労が圧倒的ですので、もしこれから同じような仕事をされる方がいるとしたら、その点だけ覚悟した方が良いかもしれません。

 

ともあれ、コロナ禍もあり4回目は今はなんとも言えないですが、なかなか無い良質なイベントだったと思っているので是非また開催したいと勝手ながら祈っております。

 

そんな感じで今回はワークス紹介という形でその仕事の手順を中心に書いてみました。

 

ではまた明日◎ 

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