今でこそあまり耳にしなくなってきた印象はありますが、少し前まではたびたび耳にした
「DJって何をしてるの?」
という疑問。
音楽に関心のある人にとってはすっかり当たり前の存在だとは思いますが、今回はその当たり前を改めて整理してまとめてみたいと思います。
DJという存在の基本知識
定義的には、既存の楽曲を再生機器を使って音を出し、選曲、操作などにより聴衆にその内容を届ける人。
おおよそこんな感じかと思います。
ディスクジョッキーという名の通り、元々はアナログレコードとターンテーブルを使用する物でしたが、データなど音源の記録媒体の変化により現在はレコードやCDだけでなく再生フォーマットは多様化してきています。
ラジオDJという存在がある事からもわかる通り、元々は1曲を流し終えてからレコードを変え次の曲を流す形でしたが、その後2台のレコードプレイヤー(ターンテーブル)を使った曲間を空けずに次の曲を流すという現在まで続くスタイルが誕生しました。
パブリックイメージとして存在するイメージとしては、ヒップホップDJにおける同じレコードをループさせることによるトラックメイクやスクラッチというスタイルになると思いますが、ロックやハウス、ソウルやアイドル、アニソンまで様々なジャンルやスタイルでプレイするDJが存在しています。
DJのおおまかな種別
「DJって何?」
という質問については、現在であれば、もしかしたらご老人でもヘッドフォンをしてレコードを触っている姿くらいは連想できるところまで認知が広まったように思います。
一口にDJと言ってもその役割にはいくつか種類があり、大まかには以下の3つに分類ができるでしょう。
ラジオDJ
先に触れたラジオDJであれば、選曲家(セレクター)的な要素が強いでしょう。
現在のように多様なメディアがなかった時代では、未知のアーティストや楽曲の情報源として機能する面が強く、”踊らせる”や”空間の演出”というニュアンスではなく、今でいうインフルエンサーに近い存在と言えるかもしれません。
バックDJ
次にヒップホップのライブなどでステージ上でDJプレイを行うトラックメイカーを兼ねる形。
ライブ中のバックトラック(オケ)を流す役割を担いつつ、場に応じてスクラッチ等の技術を用いてアレンジを加える事で、単にトラックを流すだけでなく演奏要素もライブに加えた楽器的なニュアンスの強いスタイルと言えます。
クラブDJ
おそらく最もイメージされるDJ像がこのクラブDJかと思います。
途切れさせる事なく楽曲を止めずに次々と流し続け、集まった観客を楽しませます。
その多くは踊れる事や盛り上がりを求められ、その為には技術だけではなく、観客の空気感や時間帯、前後にプレイするDJとの流れなども考慮した、ホスト的な素養も問われる存在と言えるでしょう。
DJは何をしている?
次に来る質問はやはり、
「DJって何をしているの?」
という問い。
ここではクラブDJを例に進めていきます。
繋ぎ(ミックス)
ジャンルやプレイスタイルで、かなりその内容は変わってはくるのですが、間違いなく共通して言えることは、”途切れさせる事なく楽曲を流し続ける”ことになるでしょう。
プレイする音楽ジャンルによる特徴的なスキルなどもそれぞれありますが、多数の楽曲をノンストップで流し続ける事は必須となる為、ジャンルに限らず必要な技術としては”繋ぎ(ミックス)”が挙げられるでしょう。
多くの場合、集まった観客は踊る事を目的としているので、曲が変わるたびに楽曲のリズムやテンポが変わってしまうとその目的には添う事ができません。
極力スムーズに次の曲に切り替わる事で、足を止めずに踊り続けることができるので、この繋ぎが円滑であるほど、(基本的には)良しとされています。
例えば、
「曲が変わったのが分からなかった。」
みたいな感想をもらえると、DJ的には大きな褒め言葉と言えます。
良く見るヘッドホンを付けた姿は、この繋ぎを行う為に次に流す曲をヘッドホンで聴いて、今流れている曲とテンポを揃える作業を行う為という訳です。
(DJ用のプレイヤーには曲のテンポを早くしたり遅くしたりできる機能も付いています。)
選曲
ジャンルやそのシーンにもよるので必ずしもとは言えませんが、一般的には観客を盛り上げる事がDJには求められます。
アンセムと呼ばれるような多くのみんなが知っていて必ず盛り上がる楽曲も存在します。
ただし、このアンセムやヒット曲ばかりを流し続けることは観客的にもDJ的にも面白みに欠けてしまいます。
フロアの状況や時間帯などをみて、アンセムやヒット曲の使い所を考えるのもDJの個性や技術ですし、他のDJが流さないようなマニアックな楽曲を織り交ぜたり、曲調を変えて緩急を付ける事もDJは考えながら行なっています。
その為には日々、多くの楽曲を探して聴いて(昔であれば毎日レコード屋に通うなどをして)、多くの楽曲の選択肢を持つ必要もありますし、ジャンルによっては技術以上にこの選択肢(知識)がそのDJの強みやカラーにもなり得ています。
まとめ
このブログでも何度か触れていますが、私自身も17歳くらい(もう24,5年前。。。)からDJをしていて、度々聞かれきた「DJって何してるの?」という問い。
特に自分の場合はロックを主に流すDJだったので、DJという存在の認識が広まってからも「ロックDJなんてあるんだ。」と度々言われました。
昔はどのクラブイベントも動員が良かったという事もあり(音源を買い続けないと行けないのでお金もかかりますしね)、なかなかに敷居の高かったDJですが、規模を選ばなければ今は簡単にやる場所や機会は作れると思いますし、なんなら0円で始める事すらできてしまいます。
DJで生計を立てていたり、それを目指しているような方からすると、趣味やお遊びのDJの参入を心良く思わない人もいるとは思います。
ですが、一度でもやってみると、「音楽って楽しい!」と一層強く思うきっかけになる場合は多いと思いますし、個人的には音楽好きが増える事が一番嬉しいので、興味がある人はどんどんDJをやってみて欲しいです。
ちなみに私は全然プロとかプロ志望ではなく、もともと自分が好きな曲を大きな音で聴きたくて始めただけなので、ずーっと趣味です。
それでも夏フェスや地方など色々な場所でできたりもして知り合いも増えますし、人生を一層楽しく過ごすことには十分なり得ているので、釣りやゴルフのように趣味としてもっと広がって欲しいくらいに思っています。
ではまた◎
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