TINY MUSIC LIFE

音楽を仕事にする方法やビジネス論、考察や小ネタなどをお届けする音楽情報ワンパーソンメディア。by TINY RECORDS八木橋一寛

ブリットポップを代表するバンド16選&名盤18選

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ァッションでも音楽でも、90年代の再評価が高まっている昨今。

 

THE STROKESについての記事でも触れましたが、90年代の音楽シーンはBRIT POP(ブリットポップ)抜きには語れません。

自分がリアルタイムで経験したものはどういう訳か、いつまで経っても”最近”のことのように感じてしまう所があるのですが、早いものでもう20年以上も前の事です。

 

今の若い方にとっては、当時自分が70'sパンク/パワーポップやパブロック、ネオモッズあたりを掘り下げていたよりも遠い過去の音楽に触れる事になります。

 

時を経て、ジャンルとしてのステータスも確立された感もありますし、記憶が残っているうちに基本的なアーティストと作品くらいはアーカイブしておきたいと思い、今回はブリットポップを代表するバンドやアルバムをまとめてみたいと思います。

 

シンプルに、普遍的で分かりやすく聴きやすい作品が多く、洋楽をあまり聴かないという人でも入りやすい作品が多いはずなので、是非この機械に触れてみていただけたら幸いです◎

 

【目次】

 

BRIT POP(ブリットポップ)とは

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出典:NME

1980年代後半からイギリスを席巻したマッドチェスター・ムーブメント。

アンダーグラウンドなカルチャーとしての側面が強かった事や、ムーブメントそのものが終息に向かっていた中、アメリカからグランジ・ムーブメントが台頭します。

 

ニルヴァーナの大ヒットもあり、グランジは商業的にも大きなブームとなる中、イギリスではアイデンティティでもあるロックの低迷期を迎える事となります。

 

グランジを牽引したニルヴァーナのカート・コバーンが1994年にショットガンで自殺し、シーンの象徴を失ったグランジは勢いを失います。

 

入れ替わるようにブラーが60年代的英国マナーな3rdアルバム『パークライフ』をリリース(1stはマッドチェスターサウンドでした)、次いで同年にオアシスのデビューが続き、その英国オリエンテッドな作品は、英国ロックの復権を望む時代の空気を掴みブリットポップとしてシーンの主役へと躍り出る事になりました。

 

ブラー、オアシスを中心にブリットポップが隆盛を極める中、1997年にBlur(ブラー)のセルフタイトル作『Blur』がリリースされます。

 

ところが、この作品に収録されていたのは、USオルタナティブ・ロック志向が全面に打ち出された楽曲でした。

これに加え、インタビュー上でフロントマンのデーモン・アルバーンが「ブリットポップは死んだ。」と発言。

 

ブリットポップを象徴するバンドであるブラーの作品と発言を契機に、ブリットポップは終焉へと向かいました。(『Blur』リリース以前からシーンに陰りがあった事もあり。)

 

ブリットポップを代表するバンド20選&名盤25選

OASIS(オアシス)

Definitely Maybe(ディフィニトリー・メイビー) (1994)

94年リリースの1stアルバム。

デビューシングルとなった「Supersonic(スーパーソニック)」や名曲「Live Forever(リヴ・フォーエヴァー)」などを収録し、UKチャートでは最高位一位も記録しています。

 

Morning Glory(モーニング・グローリー)(1995)

ブリットポップのみならず、90年代の音楽史を語る上で外せない名盤2nd。

今作により本国イギリスのみならず、USチャートでも最高位4位、日本でも8位と世界的ヒット作としてオアシスを代表する作品となっています。

本作収録の「Wonderwall(ワンダーウォール)」や「Don't Look Back in Anger(ドント・ルック・バック・イン・アンガー)」は先に記事として書いた『オフィシャル・トップ50・ブリットポップ・ソング』でも1位2位を飾っています。

 

BLUR(ブラー)

PARKLIFEE(パークライフ) (1994)

パブリックイメージとしては、オアシス以上にブリットポップの象徴的バンドとして捉えられているであろうブラーによる3rdアルバム。

ひねくれていてアイロニカルなポップセンスは非常に英国的でした。

 

The Great Escape(ザ・グレート・エスケイプ) (1995)

『パークライフ』に続く4thアルバム。

2ndから続くブリットポップ期の3部作のラストを飾った作品。

発売日をほぼ同じくした同作収録の「カントリー・ハウス」とオアシス「ロール・ウィズ・イット」のシングル・セールス合戦などもあり、ブラーVSオアシスという対決構造がピークにあったのもこの時期となります。

 

THE VERVE (ザ・ヴァーヴ)

Urban Hymns(アーバン・ヒムス) (1997)

リチャード・アシュクロフト率いるザ・ヴァーヴの3rdアルバム。 

『オフィシャル・トップ50・ブリットポップ・ソング』でも3位にランクインした代表曲「Bitter Sweet Symphony(ビター・スウィート・シンフォニー)」 や、名曲「The Drugs Don't Work(ザ・ドラッグス・ドント・ワーク)」を収録。

 

SUPERGRASS(スーパーグラス)

I SHOULD COCO(アイ・シュド・ココ)(1995)

 

フロントマンのギャズがまだ10代の頃にリリースし、一躍国民的バンドへと駆け上がったデビューアルバム。

シングルカットされた代表曲「Alright(オールライト)」は、1ヶ月以上も全英チャート10位内に入るというビッグヒットも記録。

2010年に一度解散をするも2019年にはライブも行い活動再開をしています。

 

SUEDE(スウェード)

COMING UP(カミング・アップ) (1996)

バーナード・バトラー脱退後の3rdアルバム。

ポップ色を強めた本作は、先行シングル「Trash(トラッシュ)」 の大ヒットをはじめ、商業的に最も成功を納めたアルバムとして高い人気を誇っています。

 

PULP(パルプ)

Different Class(コモン・ピープル)(1995)

1978年にジャービス・コッカーにより結成されるも、ブリットポップ期に入り遂にヒットに恵まれます。

「コモン・ピープル」や「ディスコ2000」等のヒットソングを得たパルプは、ブラーやオアシスと並ぶブリットポップの象徴的なバンドとして広く知られるようになりました。

 

THE BLUETONES(ザ・ブルートーンズ)

Expecting to Fly(エクスペクティング・トゥ・フライ)(1996)

ブリットポップ全盛の1995年デビュー、全英1位も記録した1stアルバム。

自主制作シングルとしてもリリースされていた名曲「Slight Return」も収録し、改めてシングルカットされた事から人気に火がつきました。

個人的にはブリットポップといえば真っ先に思い浮かぶバンドの一つです。

 

THE CHARLATANS(ザ・シャーラタンズ)

Tellin' Stories(テリング・ストーリーズ)(1997)

レコーディング期間中にキーボードのロブ・コリンズを交通事故で失い、プライマル・スクリームのマーティン・ダフィーをサポートに迎い入れ製作された5thアルバム。

ロブが参加した最後の楽曲となった「One to Another(ワン・トゥ・アナザー)」をはじめ、ヒット曲を多数収録しています。

ちなみに、フロントマンのティム・バージェスのソロ作もポップセンスが爆発していて最高です◎

 

MANIC STREET PREACHERS(マニック・ストリート・プリーチャーズ) 

Everything Must Go(エヴリシング・マスト・ゴー )(1996)

98年の5作目も捨てがたいのですが、ここでは4枚目を。

1stアルバム『Generation Terrorists(ジェネレーション・テロリスト)』を最初に聴いた際にあまりピンと来ず、以来敬遠していた自分をグッと引き寄せてくれた名バラード「A Design For Life(ア・デザイン・フォー・ライフ)」を収録している事もあり、お気に入りの1作です。

 

TRAVIS(トラヴィス)

Good Feeling(グッド・フィーリング)(1996)

セールスや人気が爆発したのはナイジェル・ゴドリッチをプロデューサーに迎えた2nd『The Man Who』となりますが、ブリットポップ括りとなればこの作品も外せません。

デビューシングル「All I Want To Do Is Rock(オール・アイ・ウォント・トゥ・ドゥ・イズ・ロック)」をはじめ初期オアシスを想起させる楽曲や、キャッチーで英国然としたポップナンバー「Tied To The 90's」など良曲を多数収録。

本作を受けてオアシスのノエル・ギャラガーがトラヴィスのファンと公言し、97年にはオアシスのツアーサポートにも抜擢しました。

 

DODGY(ドッジー)

Free Peace Sweet(フリー・ピース・スウィート)(1996) 

本作収録の「Good Enough(グッド・イナフ)」があまりにも有名なドッジーの3rdアルバム。この曲が好き過ぎて、おそらくDJで300回は流したと思います。笑

ザ・ブルートーンズとは同郷で、デビュー前に同じ一軒屋に住んでいた事もあるそう。 

 

STEREOPHONICS(ステレオフォニックス)

Word Gets Around(ワード・ゲッツ・アラウンド) (1997)

V2レコーズの第一弾アーティストとして登場した、稀代のヴォーカリスト、ケリー・ジョーンズ率いるステレオフォニックスの1stアルバム。

タイミングとしてはブリットポップが終焉へと向かう時期のデビューではありますが、音楽性の評価やセールス面でも喝采で向かい入れられ、今尚不動の地位を保ち続けています。

 

KULA SHAKER(クーラ・シェイカー)

K (1996)

オアシス以来のデビューアルバム最速売り上げを記録した1stアルバム。

「ヘイ・デュード」、「グレイトフル・ホウェン・ユーアー・デッド」といったアップテンポでグルーヴィーな楽曲から、インド音楽の影響の色濃い「ゴヴィンダ」や「タットヴァ」まで、クーラ・シェイカーのアイデンティティの詰まった傑作です。

 

OCEAN CLOUR SCENE(オーシャン・カラー・シーン)

Moseley Shoals(モーズリー・ショールズ) (1996) 

マッドチェスター然とした1stから一転、60年代英国ロック色を強めた2ndアルバム。

翌年の3rd『Marchin' Already(マーチング・オールレディ)』も甲乙付け難い大傑作なのですが、「The Riverboat Song」、「The Day We Caught the Train」、「The Circle」という冒頭の大名曲3連発が衝撃的過ぎたこちらで。

自分の中で密かに、世界一カッコイイバンド名なのではという容疑をかけています。笑

(というか曲も佇まいも全てがカッコイイです◎)

 

THE BOO RADLEYS(ザ・ブー・ラドリーズ) 

Wake Up!(ウェイク・アップ)(1995)

日本でもテレビ番組のオープング・テーマ曲として使用されお茶の間レベルでもヒットした「Wake Up Boo!(ウェイク・アップ・ブー!)」を収録した3rdアルバム。

リヴァプール・バンドらしいポップセンスに加え、当時勢いに乗るクリエイション・レコーズの下支えもあり、ブリットポップを代表する一枚として認知されています。

 

ASH(アッシュ)

1977 (1996) 

ミニアルバム『トレイラー』を経ての1stアルバム。

ティーンエイジャーバンドらしい(当時)、瑞々しいギターロックがブリットポップに湧くシーンからも喝采を受け、全英チャート1位にも輝きました。

「Girl From Mars」や「Kung Fu」、「Goldfinger」など人気曲も多数収録しています。

ちなみにブリットポップの範疇からは外れますが、3作目の『Free All Angels』 も最高におすすめです◎

 

最後に(まとめ)

16バンド18枚とかなり絞ってはみたのですが、それでもかなりのボリュームになってしまいました。汗

 

自分にとっては青春真っ只中に聴いたバンドや作品ばかりなので、ポジティブな思い出や印象しかありませんが、90年以降ともなれば録音などで古く感じる事もほとんど無いと思いますので、聴いたことがなかったという方こそ是非この機会に触れていただけたら本望です。(結構時間もかかって大変だったので。。涙)

 

ブリットポップ関連で言うと、本文中にも触れましたが、以前アップした以下の記事も是非併せて参照いただけると、こちらは楽曲単体でのランキングとしてまとまっているので、一層楽しんで聴いていただけるかと思います◎

 

ではまた明日◎ 

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