音楽業界で希望退職を募集する企業の話を耳にする機会が増えてきています。
企業としては苦渋の決断でしょうし、そこで働く者にとっても強い不安を煽る事態と思います。
いくつかそんな話を中で、「やはりコロナの影響は甚大だなぁ...。」と恐ろしくも感じる一方で、誤解を恐れずに言うと、被雇用者目線的には「羨ましい。」とすら少し思ってしまう自分もいます。
加えて、これからの人生を考える上で、この希望退職を突きつけられるという事は、強制的にそれに向き合うという意味において良い機会のようにも思います。
私は偉大な経営者やビジネスマンな訳ではありませんので、大した事は言えませんが、私なりに今日はちょっとそんな話を書きたいと思います。
希望退職とは
従業員の主体的な意思による退職の申し出を募る仕組みを指し、組織の人員整理を目的に行われる事がそのほとんどです。
その為、多くの場合リストラの予兆や前段階と捉える事もできます。
名の通り、あくまでも従業員の意思による退職となり、会社側からこれを強制できるものではありません。
会社側がこれを行う理由としては人員整理が主となりますが、この希望を誘引するために通常の退職よりも有利な条件で退職が可能となるのが一般的です。
例としては、原則自己都合ではなく会社都合での退職となったり、退職金の割り増しなど金銭面での優遇が挙げられます。
早期退職制度と混同しやすいですが、希望退職が"人員整理"を目的にするのに対し、これを主目的としない点や、期間を限定せず常に利用可能なのが相違点となります。
エイベックスや電通の例
音楽業界の最王手企業の一つであるavex(エイベックス)が希望退職を募るという発表が11月5日にありました。
その内容は、音楽事業の一部や間接部門に在籍する40歳以上の443人(10月末時点)が対象となり、12月中に100人程度を募るというもの。
募集の理由としては、音楽CD販売などの落ち込みに加え、コロナ禍で大規模ライブなどが開催できない事による収益の悪化と伝えられています。
同11月には2017年12月に開業した地上18階建の南青山の本社ビルを売却する方針という事も大きく報じられ、その業績不振の深刻さを感じさせるものでした。
また、電通が一部の正社員を業務委託契約に切り替え、「個人事業主」として継続勤務させる制度を始めるというニュースも同時期に報じられました。
電通では"副業禁止"としていましたが、この制度により、兼業や起業が可能となります。
その内容は、適用者は早期退職したうえで、電通が11月に設立する新会社と10年間の業務委託契約を結び、これまでの給与を基にした固定報酬のほか、実際の業務で発生した利益に応じてインセンティブも支払われるというもの。
実施理由は、これを新規事業の創出に生かしてもらう事や社員の声に応じたものであるとし、人件費縮小などリストラ策ではないとしています。
マインドセットを変える大きなチャンス
私がここで改めて書く必要もなく、終身雇用の崩壊が叫ばれて久しいです。
久しいのですが、周囲を見ていて"企業への依存"というマインドがそこまで大きく変化している実感は私にはあまりありませんでした。
そこで上述した2例です。
「終身雇用はできません。自身で生きていってください。」
という分かりやすいメッセージのようにも受け取れます。
この2例の他にもこの数ヶ月でいくつか音楽関連会社での希望退職の話を聞いています。私の見立てとしては今後さらに増えるように思っています。
私はコロナ以前の昨年に勤めていた会社を退職し、以降はフリーランスとなっていますが、希望退職ではなく自分の意思のみで退職をしています。
だからという訳ではなく、冒頭の通り「羨ましい。」と思ってしまう自分がいます。
このブログを良く読んでいただいている方であれば察して頂いているかと思いますが、私は自分でも少々イレギュラーな考え方である事は自覚しているので、ぶっ飛んだ奴の戯言程度に受け取って頂きたいですが、おそらくどんな会社に勤めてどんなタイミングで希望退職の募集があったとしても、私の場合は応募すると思います。
理由は、どこかの会社に勤める都度、同時に退職を考えている為です。
自身の性格や性分として、極端にいうと「飽きてしまう。」という事もありますし、今の時代に定年まで雇用を保証してくれる会社があるように思えないという事もあります。(あるとは思うのですが、それはロシアンルーレットのような運ゲーのように思ってしまいます。)
何より、一言で言えば、結局私は独立願望が非常に強いのだとも思います。
少数派にはなると思いますが、そんな私のようなタイプの人にとって、希望退職や業務委託への契約内容変更というのは願ったり叶ったりです。
正直、業務委託への契約内容の変更が可能であれば、前職を辞めていなかったかもしれません。
前職の退職理由や独立願望の強い理由に、裁量権が自分に無いと仕事を楽しめないと性分であるという事や、音楽の仕事がこれまでと同様の規模で自分の定年まで継続すると思えないという事があった為、「早く辞めないと幸福度の観点からも、収入の維持の為にもヤバイ。」とさえ感じてしまったのです。
(結果、今はコロナショックにより、「折角フリーランスになったのにまあまあヤバイ」という不測の事態が起きてしまいましたが。苦笑)
そんな私の例は少々極端ではありますが、こと音楽業界従事者に関しては、
「確かに今は勤めている会社もヤバそうだけど、終息後の回復を信じて務め上げよう。」
とは考えない方がベターのように思えてなりません。
上記の記事でも似たような事を書きましたが、自分自身が経済面で生き残る為には今勤めている会社に依存し過ぎるのはコンサバな考えなようでいて、私には逆にハイリスクに思えてなりません。
だからと言って、「今いる会社をすぐ辞めた方が良い!」なんて言っている訳ではなく、「音楽業界で働き続けるのであれば、転職ベース(独立も含め)で勤続するスタンスへ切り替えるのに、今はとても良いきっかけでは無いでしょうか?」という意味合いです。
最後に(まとめ)
エイベックスをはじめとする希望退職の募集や、多くの音楽関連会社の減収が起こる現在は、ベタ足で両足を地面に着いたスタイルから、つま先立ちでフットワーク軽く動き回るスタンスに変える好機にも感じたので、今日はこんなお話を取り上げてみました。
「ピンチはチャンス」と色々なエライ人も言っていますしね。笑
私はこのピンチがサイヤ人の如くなんだか最近は楽しくなってきました。
ではまた明日◎
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