TINY MUSIC LIFE

音楽を仕事にする方法やビジネス論、考察や小ネタなどをお届けする音楽情報ワンパーソンメディア。by TINY RECORDS八木橋一寛

アメリカの砂漠で過ごす一週間。奇祭?アートフェス?『バーニングマン』とは

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ーニングマン(Burning Man)というお祭りをご存知でしょうか?

 

お祭りと言っても日本ではなく、アメリカ・ネバダ州のブラックロック砂漠という場所で年に一度開催され、奇祭とも呼ばれているフェスティバルです。

 

毎年8月から9月にかけて一週間に渡り開催されているのですが、今年は新型コロナの影響でリアル開催は中止となり、8月31日から9月6日にかけてオンライン上でバーチャル・フェスとして開催されました。

 

このバーニングマン。個人的にはずっと強い関心があり、情報を色々見聞きはしていました。

かなり説明の難しい開催内容でもあるので、「名前は知っているけど詳しくは知らない。」という方も多いと思います。

 

相当な「行かないと分からない」系のイベントだとは思うので、いつか行ってみたいと思っていたのですが、うっかりこのバーチャル開催の情報を見落としてしまい観ることさえできずだったので、その悔しさを紛らわせる意味も込めて、「どんなイベントなの?」というお話だけでも知っている限りしていきたいと思います。

 

 

バーニングマン基本情報

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開催時の全景

開催概要

アメリカ・ネバダ州のブラックロック砂漠で毎年8月の最終月曜日から一週間に渡って開催されています。

 

この砂漠という一切の生活インフラの無い空間に集まった来場者は、衣服から食料、燃料や住居まで持ち寄ったり自作をして、共同生活を行います。

(電気や水道はおろか、携帯電話も立地上使用できないそうです。)

 

この環境下では、参加者が持ち込んだ物や自作したもののみが生活・生存の唯一の術となる為、来場者間で交流を図り、問題解決の為に助け合うためのコミュニティが自ずと生まれるという原始的な個性を持っています。

 

また開催中は貨幣の使用は禁止とされ、物々交換等の見返りを求める行為も非推奨となっているそうで、見返りを求めない「贈り物経済」と「親切なこころ」をこの共同体形成の理念としているようです。

 

会場内では単にサバイブのみを目的とはしておらず、レイヴパーティーやライブ演奏、大道芸やアート作品の製作・展示、その他様々な創作やアトラクションが参加者の手により場内を彩り、この事やインスタレーション的なフェスティバル・コンセプトからも、アート・フェスティバルという捉え方も広くされています。

 

また、十か条の根本理念 という物があるそうで、これがバーニングマンを掴むのには分かりやすいと思うので、wikipediaより引用を貼っておきます。

  • 『どんな者をも受け入れる共同体である』(Radical Inclusion)  
  • 『与えることを喜びとする』(Gifting)  
  • 『商業主義とは決別する』(Decommodification)  
  • 『他人の力をあてにしない』(Radical Self-reliance)  
  • 『本来のあなたを表現する』(Radical Self-expression)  
  • 『隣人と協力する』(Communal Effort)  
  • 『法に従い、市民としての責任を果たす』(Civic Responsibility)
  • 『跡は何も残さない』(Leaving No Trace)   
  • 『積極的に社会に参加する』(Participation)  
  • 『「いま」を全力で生きる』(Immediacy)

アダム グラントの「GIVE & TAKE」や SDGsなんかともリンクする部分も感じる、かなり"今"っぽい理念のようにも感じられます。

 

開催最終日の前日と最終日には、シンボルである「The Man」と呼ばれる巨大な像と「テンプル」と呼ばれる建物を燃やす事で開催に幕を下ろします。

 

Burning Man公式サイトhttps://burningman.org/event/brc/

 

誕生から現在までの流れ

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1986年、ラリー・ハーベイとジェリー・ジェイムスによって製作された、材木を組み合わせた高さ約2.4mの人型の像を、サンフランシスコのベイカービーチに持ち込みその像に火を放った事に端を発します。

 

次第に話題が広まり1990年には500人の参加者と、イベントのシンボルとなる像の大きさも12mにまで及ぶ事になり、儀式的に行われていた像への点火が法に触れるとの理由で中止勧告を受ける事に。

この事により、ベイカービーチからブラックロック砂漠へと開催地を移す事となり、これによって”生活インフラの無い土地で参加者が助け合い過ごす”という現在まで続く特有の開催形式が誕生しました。

 

その後、インターネットの普及を迎えると、この特異なフェスを取り上げるウェブサイトなどが現れ始め、アンダーグラウンドな奇祭から数万人規模のビッグフェスへと発展を遂げました。 

 

2020年のオンライン開催とは

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新型コロナウイルス拡大により、4月には予定されていたリアルイベント開催の中止を発表し、いち早くオンライン上での開催をアナウンスしていたそうです。(これに気が付かず見逃してしまい本当に無念です、、、)

 

8月31日より9月6日まで開催され、参加は事前購入の有料制を基本としていたようですが、その一部は開催当日に購入や登録不要で観ることもできたとの事。

 

配信は「セカンドライフ」を始め、8つのヴァーチャル空間プラットフォーム上の各会場で行われ、その中で場内を歩いて他の来場者と交流をしたり、アート作品を創作したり、音楽ライブを楽しむことも可能としています。

恒例の"The Man"を燃やすパフォーマンスもしっかりと用意され、参加者各自がそれを行い、その様子を他の参加者とシェアする事も。

 

参加者側の使用デバイスは、配信プラットフォームにより違いはありますが、主にPC、スマートフォン、VRヘッドセットを用いて参加が可能となっています。

  

以下はティザー映像となっています。(必見!)

インスタグラム公式アカウントの方も高頻度で写真などアップされていたので、ワクワクしてきたらこちらもご覧ください。笑

 

バーニングマンの魅力とは

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概要・内容の説明を終えた時点で魅力も同時に伝え終えた所もありますね。苦笑

(まだまだ興味を引く情報や内容はあったりもするのですが)

 

初めてバーニングマンの存在を知ったのがいつだったのか覚えてはいないのですが、その内容を知った時には単純に、

「時折思う、目まぐるしい技術革新の世界から離れたい。」

という欲求を満たしてくれそうだという点に興味が湧きました。

 

更に詳しく情報を取って行くと、前述した理念だったり参加者のマナーを知り、その興味は一層強まりました。

 

Google創業者のラリー・ペイジもバーニングマンのファンとして知られているように、富裕層や経営者層のファンも多いそうで、なるほど知識人や書籍などで語られている現代や近未来の在り方にもフィットしているように感じます。

"多くの参加者に多くの協力や感動を与えた者は、より楽しめる。"

というのも信用経済的だったり、GIVE & TAKE理論的でもありますし、お金よりも信頼や助け合いに比重を置いている所なども非常に今っぽいです。

 

砂漠という開放空間でありながら、文明からは隔離された「場」を提供し、あとは参加者が自由に住居や作品を作り上げてサヴァイヴするという内容は、フェス全体が参加者が作り上げた仮装都市を模した巨大なインスタレーション作品のようでもあります。

 

かなり癖が強いコンセプトや内容なので、興味がない人や肌に合わない人が多数派になるかもしれませんが、私にとっては非常に魅力的で興味深い所だらけなので、ハマる人には理想郷とさえ呼ばれるバーニングマンへ、いつか行ってみたいと焦がれ続けると思います。

 

予想では、トライアスロンやアイアンマンレース的な、「めっちゃ大変でキツイけど、それだけにそこでの出会いの戦友感や、終わった時の達成感やカタルシスがエグい。」系の楽しさなのかなぁと想像はしてみたり。。。

 

最後に

一度も行ったことがない上に、せっかくのヴァーチャル開催すらその情報を取りこぼして観ていないという語る資格ゼロ状態だったので、この記事を書くかどうか一寸迷いましたが、自分なりに知っている情報+調べた情報を振り絞りました。

 

この見返りを求めない助け合いをベースとしたサヴァイヴ感は、コロナ禍の今の気分や必要性にもフィットすると感じましたし、私自身が

「音楽業界の甚大な縮小を抑えるには、別のカルチャーとの融合を加速するべきでは?」

というモードにある事から、今回は未体験で僭越ながら、バーニングマンについてアレコレとお伝えさせていただきました。

 

もし、

「行った事あるけど、実際はそうじゃなくってこんな感じだったよ。」

という方などいましたら、ぜひ知りたいので忌憚なくご意見くださいませ◎

 

ではまた明日◎ 

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