TINY MUSIC LIFE

音楽を仕事にする方法やビジネス論、考察や小ネタなどをお届けする音楽情報ワンパーソンメディア。by TINY RECORDS八木橋一寛

ロックバンドが私を惹きつける理由

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日はロックファンの新参・古参がその理解度に対しての主張でしばしば荒れている事について書きました。

そこで、今日はそのロック音楽が長い間大衆音楽の中心であり続ける理由について触れてみたいと思います。(もちろん世界的にはどセンターではないのですが)

 

昨日の記事でいう"お勉強"のようにあまりなるのも気分的に具合が良くないので、"歴史的には"のような事には極力触れず、今の話ができればと考えているのですが、ややできるか不安なので膝を崩してポテチでもつまみながらお読みください。

 

  

低い技術的な障壁

こういった話をする場合、まず前提としての「ロックとは?」という定義から書き出すことがスタンダードだと思うのですが、長くなりますし"概念"に近いところもあると思っているので、ここでは各々が現在パッとイメージする像で読み進めてください。

私の場合だと例えば今オアシスとかザ・ブルーハーツが思い浮かびました。(古くてすみません、、、。)

 

まず演奏者側になる事を考えてみた場合、ピアノやバイオリンなどクラシック音楽で用いられる楽器演奏と比較すると、ギターやドラムなどロックバンドで用いられる楽器演奏の敷居は非常に低いと言えると思います。

 

ロックの場合、自作したオリジナルの楽曲を主としている為、既にある楽譜を再現する事もなく演奏技術のみで良し悪しを判断されるものではありませんし、クラシック音楽のように低年齢からの英才教育を受けずとも技術面で大きなアドバンテージが生まれる事も少ないでしょう。

演奏編成に関しても、多くの人数を必要としないコンパクトさもその敷居の低さとして挙げる事ができます。

 

極端な例を挙げればセックス・ピストルズのシド・ヴィシャスのように、ベースギターを演奏した事がなくともスターやアイコンになれる可能性を持つ事が、私個人としては趣味としても仕事としても最も惹きつけられる理由です。

 

その為、超絶歌唱力や超絶ギターテクニックをロックの分野で見せつけられると、「凄い」とは思うのですが、ちょっと冷めるというか我に返ってしまうところがあります。ヨレヨレなくらいが良いのです。(個人の感想です)

 

自己投影しやすい等身大の存在

上述の"うますぎるとちょっと我に返る"という感覚は、言い換えると努力量という時間の壁や才能を感じてしまうからだと考えています。

 

「自分とは別世界の人間だなぁ。」

と感じてしまうという事かもしれません。

 

それはそれで素晴らしい事なのですが、作品のファンにはなれても、存在そのもののファンには若干なりにくいと言いますか。

 

これは自分がイメージした像にザ・ブルーハーツが浮かんでいるからというのもあると思いますが、中学生時分に初めて聞いた時、照れくさい話ではありますが、

「なんて俺の気持ちを理解しているバンドなんだ!」

と本当に思いました。

 

また、パフォーマンスや歌詞から才気は感じてはいましたが、自分とそんなに変わりのないお兄ちゃん達のようにも映りました。(当時少々素行が悪かったので。。。)

オアシスをはじめとする当時のCREATION RECORDS関連のバンドからも似た印象を受けましたし、「そこらへんにいそう」であるほどに活躍する様を痛快に感じていました。

 

私の場合はザ・ブルーハーツがそれでしたが、世代や好みによってはそれがBOØWYだったりハイスタだったりエルレだったりフジファブリックだったりするのかもしれません。

 

ロックスターやアイコンの存在

昔から「小学生・中学生に聞いた人気の職業ランキング」のような物がありますが、あれって子供に聞いているとはいえ、選出動機には"収入"や"その安定性"も無自覚に組み込まれているように思えます。

 

野球中継がテレビのゴールデンタイムを占拠していれば野球が上位に入りますし、Jリーグが始まればJリーガーが、ダウンタウンが天下をとればお笑い芸人に憧れたでしょうし、今ならそれがユーチューバーかもしれません。

 

音楽でいえば海外のラッパーなどはまさにそうで、ポップアーティストの村上隆さんが、言っていた事になるほどと思いました。

「今のユーチューバーは黒人ラッパーを見ているよう。成功を納めても尚、注目を集められないので、ラッパーは高価な貴金属を身に着ける事で、ユーチューバーは大金を使った企画を行う事で、成功した事をアピールする点が似ている。」

意訳になりますが、こんなような趣旨の事を話されていました。

 

その結果なのかは断言できませんが、どちらも現在では成功者として認められ、憧れられる存在になっていると思います。

 

ではロックミュージシャンはと言うと、収入面で一つ大きかったのは基本的に作詞作曲を自身で行う事かと思います。

アナログレコードやCDといった録音メディアを通じて大きな収入を得ることができ、商業的成功も手にする数多のロックスターが台頭してきました。

 

そんな成功を目の当たりにし続け、自分と大きな違いのない(様に感じる)人物がそれを達成している事は、多くのそれを目指すサイクルを作っていたと思います。

目指さずともそのサクセスストーリーを追いかけ共有する事は、ファンにとっても痛快なものだったはずです。

 

最後に

海外では特に、ロックが下火になって久しいですが、ここで書いたロックミュージシャン隆盛時の構造がそのままヒップホップにシフトした様にも映っています。

 

日本では尚、ロックミュージシャンの人気は高いと言える状況にあるとは思いますが、今日現在のトップアーティストだけを見た場合、ここで挙げた事がそのまま当てはまらない様にも書いている中で感じたので、当初本記事のタイトルは

【ロックバンドが"人々"を惹きつける理由】

だったのを

【ロックバンドが"私"を惹きつける理由】

に変更しました。苦笑

 

長くなるのでまたはしょりましたが、書いていて、一時期の音楽番組のトークバラエティ化もここで書いた自己投影の手助けをかなり担っていて、ガラパゴス的な進化に繋がった部分もある様にも思ったので、また別の機会に触れてみます。

 

タイニーレコーズ八木橋でした。

ではまた◎ 

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