音楽業界の仕事についた際に耳にする専門用語や業界用語。
聞き慣れていないと、上司や先輩からの指示を聞き逃してしまうという事もあるかもしれません。
とはいえ、いわゆる”ギョーカイ用語”的な、バブル期のテレビマンのような妙な用語は、現在の音楽業界においてはほとんど無いとは思います。
音楽業界の中でも、使われる機会の多い言葉は違ってきますし、会社によっても違いがあります。
もっと言えば、個人個人でも違いはあるので、ここでは極力共通言語として使用頻度の高いものをまとめていきたいと思います。
【目次】
音楽業界の専門用語一覧
当て振り
楽器演奏箇所を録音した音源で代用し、その音源に合わせて演奏をしているフリをする事。
使用例
- 「さっきのライブ、当て振りだった。」
板付
アーティストがステージ上にスタンバイした状態で開演すること。
使用例
- 「次のアーティストは板付です。」
入り
会場など現場への到着時間や集合時間のこと。
使用例
- 「明日の入り時間は8時です。」
- 「アーティストさん、15時会場入り予定です。」
押し・巻き
ステージや仕込みの進行状況を表す際に使用される。
”押し”は、予定時間に対して遅れている、
”巻き”は、予定時間に対して早まっている、
という場合に使われます。
使用例
- 「リハーサル、10分巻きで終了しました。」
- 「〇〇ステージ、5分押しでスタートしました。」
オンタイム
予定時間通りの進行状況のこと。
使用例
- 「オンタイムで開場します。」
上手(かみて)・下手(しもて)
音楽ライブに限らず、舞台全般で使用される用語で、客席から見て左側を下手、右側を上手と呼びます。
誰から見て右か左かの間違いを起こさない為に使用されます。
使用例
- 「上手から出て、下手からハケてください。」
口パク
楽曲に合わせて口を動かし、歌っているように見せること。
リップシンクとも言う。
使用例
- 「さっきのライブ、口パクだった?」
ゲネ
”ゲネプロ”とも呼ばれる、本番同様の通しリハーサルのこと。
ライブの最終チェックとして行う為、前日など、本番日に近いタイミングで行われます。
使用例
- 「明日はゲネで一日空いていないです。」
転がし
ステージ上の床置き型モニタースピーカー。
”ウェッジ”や”フットモニター”なども同義語になります。
使用例
- 「転がしをギターさんにお願いします。」
小屋
会場の事。
小規模なライブハウス界隈では”ハコ”などとも呼ばれます。
使用例
- 「この季節はなかなか小屋が全然取れない。」
- 「明日は小屋打ち(合わせ)だ。」
ステハン
ステージハンズの略称で、ステージ上の準備や転換などの際に、その作業や移動を行うスタッフの事。
使用例
- 「今日の現場はステハン4名です。」
着券
チケット購入者が来場する事で、”来場者数”と類似後。
”着券数”や”着券率”といった言葉で、その数や割合を表す際にも使用される。
使用例
- 「今日のイベントは着券良さそうだ。」
テッペン
深夜0時のこと。
テレビマン系が発祥のゴリゴリの業界用語なので、今では使う人は減っていますが、逆に冗談ぽく使用されることはあるかと思います。
使用例
- 「今日の現場終わりはテッペン超えそうだ。」
トラ
エキストラが語源。
音楽業界では、臨時・代理の役割を果たす人を指して使用される。
使用例
- 「今日のPAはトラが来ます。」
トランポ
”トランスポート”の略称で、機材や備品などを運搬する業者を指して使用される。
使用例
- 「トランポは22時に手配しました。」
バーター
”抱き合わせ”の意で、有名アーティストが出演をする条件として、同事務所や同レーベルの新人アーティストなどを一緒に出演させる際に使われる。
※ポジティブなワードでは無い為、社外の相手には基本的に使用しません。
使用例
- 「バーターで出演枠の交渉があった。」
バミリ(場ミリ)
ステージ上などで、立ち位置や置き位置にテープなどで目印をつけることを言います。
使用例
- 「その位置でバミっておいて。」
バラシ
終演後の撤収・片付け作業全般を指して使用されます。
使用例
- 「客出しが終わり次第、ステージはバラシに入ってください。」