TINY MUSIC LIFE

音楽を仕事にする方法やビジネス論、考察や小ネタなどをお届けする音楽情報ワンパーソンメディア。by TINY RECORDS八木橋一寛

Twitterと音楽業界の「著作権バトル」記事を分かりやすく要約します。

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「Twitter(ツイッター)と音楽業界の「著作権バトル」が加熱する可能性」

という記事が先日Forbes JAPANに掲載されていました。

 

YouTubeなどは元々が音楽コンテンツを主体としていた所もあったので、初期から著作権管理を徹底している印象はありましたが、確かにTwitterって最近、音声を含む映像投稿が増えていますものね。

 

以下の2つの記事をはじめ、度々このブログでも楽曲の権利ビジネス拡大による激化の未来予測について触れてきましたので、その内容が気になり目を通してみました。

 

 

Twitterと音楽業界の「著作権バトル」についての記事概要

バトルの論点は?

まず、UGC(User Generated Content)と呼ばれる一般ユーザーが生み出すコンテンツによる著作権違反が前提にある問題として挙げられています。

 

一方で、このUGCによって音楽映像や楽曲が拡散され売上の増加を促進しているとも触れています。

 

売上促進に繋がっているとはいえ、違反にあたるUGCは管理して然るべき対象であり、そのためのリソースをプラットフォーム側が設置しているかがこの"バトル"の論点となっています。

 

ライセンス違反へのTwitterの対処不全

YouTubeやInstagram、Facebook、TikTokなど主なSNSプラットフォームでは、UGCのライセンス違反に対処するためのシステムが備えられているが、ツイッターにはそのシステムが存在しません

 

Twitterといえばその名の通り、「つぶやき」を行うテキストベースのサービスというイメージでしたが、近年の動画利用増加に伴い、無許諾の音楽コンテンツの問題が浮上しているという事です。

 

記事によると、全米レコード協会(RIAA)のCEOのミッチ・グレイザーは、

「過去2年間でツイッターに対し、音楽著作権管理者から送られた著作権違反の通知が300万件以上に達した」

と述べ、これに対してTwitter側はもっと少ない件数だと主張。

 

いずれにしても、著作権違反を検知するシステムが存在しないプラットフォームとなるのは確かなので、ある種の無法地帯と化してしまっていると見る事ができるでしょう。

 

Twitterへ求められる対応とそれに対する回答

RIAA(全米レコード協会)はツイッターに対し、問題コンテンツの検索を効率化するためにAPIへのアクセスを求めたが、ツイッター側は「それを可能にするためには、年間10万ドルの費用がかかる」と回答。

 

RIAAがこの費用負担に応じる可能性は薄いと見られています。

(10万ドルを支払ってしまうと他のSNSからも同様の費用要求を受けてしまう懸念のため。)

 

ただ、同記事で問題点としているのは、

「ツイッターはなるべくコスト負担が生じない方法で、音楽業界からの追及をかわそうとしているのかもしれない。」

という点。

これについて以下のようにも指摘しています。

「ツイッター社はこれまで音楽業界と契約を結んでおらず、それを避けたがっている。なぜなら、音楽や動画コンテンツは、彼らのプラットフォーム上でさほど大きなボリュームではないからだ。」

このツイッターからのRIAAへの年間10万ドルの要求を取引材料とした音楽業界との駆け引きを、"バトル"と表現しているという訳です。

 

ツイッターからすると、10万ドルをRIAAが支払う見込みが薄い事は知った上で、この10万ドルの要求を取り下げる代わりに、音楽業界から有利な条件を引き出そうとしているのではないかと同記事では見立てられています。

 

ツイッターのRIAAへの対処の狙いとしては、「音楽業界からの追及を交わしつつ、様子見のスタンスをとること」と見立てられており、理由は当然、高額な音楽ライセンス費用の支払いも著作権違反検知システムの開発のどちらも避けたいという事に起因するものとしています。

 

しかし、ライセンス契約も行わず、UGCによる違反も放置した状態を長期間黙認するという事は考えにくい為、このままの状態が続けばさらなるバトルの激化の可能性があるとして、記事は締めくくられています。

 

最後に(まとめ)

今回は私の考察や所感はあまり盛り込まずに、記事の要約に重点を置きました。

 

というのも、こういったプラットフォーム側に対して著作権管理団体が使用料や取り締まりを求めた場合には、プラットフォーム側がそれをやり過ごそうと務めるのはある種当然というか分かりきった事ではあるので、私も記事内容・考察に「同意。」という事で。

 

あと元記事が割と読みにくい文章だったので、分かりやすく簡素化したいなと。苦笑

 

一つだけ私見を書き加えるとすれば、数十年単位の長期的な見立てではありますが、"著作権"として楽曲の使用料で収益化をするビジネスモデルは無くなるだろうとは思っています。(理由は長くなるのでまたいつか...。)

 

こういった問題は新たなSNSが台頭する度に起こるような気もするので、どんな着地をするのか引き続き注視していきたいと思います。

 

Clubhouseはこの辺りどうなっているのでしょうね? 

 

ではまた次の記事で◎

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