TINY MUSIC LIFE

音楽を仕事にする方法やビジネス論、考察や小ネタなどをお届けする音楽情報ワンパーソンメディア。by TINY RECORDS八木橋一寛

音楽イベント個人企画の4つの基本的な告知・集客方法【初主催・初心者向け】

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客方法、と言っても行う内容やターゲット、予算規模でかなり話が変わってきてしまいますので、まず今回は初めて個人で小規模イベントを行う方に向けた、極めて基本的な”集客の為の行動”についてお話をしていきたいと思います。

 

音楽イベントの場合、ステージに立つバンドやシンガー、DJなどの出演者が存在する為、ブッキング(出演交渉)が済んだ段階で動きが止まってしまい、その演奏者に集客を委ねてしまう方も少なくはありません。

 

アーティストパワーだけで、特段なんの告知をせずともソールドアウトや採算ラインに届いてくれる事もありますが、仮にそうなったとしても次回の開催を考えるのであれば告知は行うべきですし、出演者や会場へのマナーとしても同様です。

 

 

4つの基本的な告知・集客方法

今回は、小規模な個人主催イベントでも無理なく可能な告知・集客方法を4つに分けて進めていきます。

 

当たり前ですが、会場を抑えて出演者が決まった時点では、誰もその開催を認識してはくれないので、”開催を知ってもらった上で、行きたいと思ってもらう事”を意識して行動をする事が必要となります。

 

フライヤー(告知用画像素材)

イベントの告知と言えば、かつてはフライヤー(チラシ)が何を置いても必須の告知方法でした。

 

イベント名、日時、会場、入場料(チケット代)、出演者などの公演詳細を、そのデザインによりコンセプトと合わせて周知する事が可能で、ライブハウスやレコードショップ、カフェやレンタルスタジオなどに置かせていただいたり、ライブ会場や主催者にお願いをして"折り込み"を行なってもらうなどが主な使用方法です。

 

SNSの普及により、印刷物としてフライヤーを作成する割合は減ってきている傾向にありますが、印刷料金も現在ではかなり安価で5000円もあれば数千枚のフライヤーが印刷可能なので、しっかりと設置や配布を行えば現在でも有効なプロモーションであると考えています。

 

例えば、2000円の入場料のイベントに5000円のフライヤー印刷代を使ったのであれば、フライヤーを見て来場してくれたお客様が3名いれば投じたコストは回収していると言えます。

 

とは言え、かつてのようにレコードショップが多数存在する時代ではありませんし、ライブハウスもフライヤーの設置スペースを設けている店舗は減少傾向なので、印刷をしても置いてくれる場所がそう多くはないのも事実。

 

印刷をせずとも、SNSを中心としたオンライン上のみで告知展開をする個人主催者が増えているのはそんな理由からでしょうし、印刷物としてのフライヤーは今日現在に置いてはマストではありません。

 

ですが、イベントのコンセプトを表現しつつ、公演詳細を伝達できるという面で、告知画像としてフライヤーを作成する事には十分な必要性と価値があります。

 

初めてイベント主催をするのであれば尚更、イベント自体はもちろん、主催されている個人の認知も無い為、内容をデザインと共に表現するのは必須と言えるでしょう。

 

また、小規模であるほど、主催者の熱量が動員に直結する傾向にあると考えています。

印刷物としてのフライヤーについては設置可能店舗は減ってはいますが、出演者や会場、お客さんなどに"本気度"を伝える方法として有効な側面があるので、この点も含めると今現在においても無視せずに、印刷有無は検討すべきと思っています。

 

SNS告知

上記の告知画像としてのフライヤーと繋がってくる話ですが、印刷したフライヤーの設置可能店舗が減っている現在、TwitterやInstagram、Facebook、LINEなどのSNSが告知の主戦場となっています。

 

SNSのタイムラインを閲覧するとき、一つ一つの投稿をじっくりと読んでいる人はほとんど存在しないと思います。

多くは、ものすごいスピードでスクロールをして、目に留まった投稿だけ選んで読んでいるのでは無いでしょうか。

 

その目に留まる為の要素として、画像は有効なはずです。

 

テキストだけでイベント詳細や情熱を書き綴っても、目に留まらなければ読んでもらうに至りません。

 

タイムライン上で埋もれずに目に留めてもらう為のアイキャッチとして、フライヤー画像(または何らかの写真・画像素材)の作成を行わない理由はないでしょう。

 

加えて、目に留まり知ってもらった上で、「行きたい。」と思ってもらう必要があるので、出演者の情報や紹介など、どのようなイベントなのかをプレゼンする場所としてもSNSの役割は大きいです。

 

イベントの公式サイトを作成する余力があればもちろん作成しても良いとは思いますが、検索でそのサイトに辿り着いてもらうようにするには一定のSEO知識や時間を必要とするので、いずれにしてもSNSからそのサイトに誘導をすることになります。

 

「イベント詳細はこちら」

のようにURLを書いて誘導を行なったとしても、そのリンクをクリックして詳細を見に行ってくれるのは驚くほどごく僅かになるはずです。(おそらく一桁%程度)

 

公式サイトなどの詳細を周知するページを持っていたとしても、イベント詳細はSNS上のみでも完結するような投稿内容をおすすめします。

 

会場との連携

初めてイベントを主催する場合、分からない事がいくつも出てくると思います。

その”わからない事を質問する相手”として会場は最適です。

 

質問をする事はもちろん、告知の協力をお願いしても全く問題ありません。

 

会場のサイトやSNSに露出をしてもらったり、場内にイベント情報の貼り出しをしてもらったり、フライヤーを追いてもらったり折り込みをしてもらったり。

 

主催者はお金を支払う側ですから遠慮は不要です。

ここで嫌な対応をもしされてしまうようであれば、(初心者にとっては)最適な会場とは言えないので、別会場での開催を検討した方が良いとさえ思います。

 

会場により、利用のレギュレーションも異なりますし、可能だったり得意な告知協力内容も異なるので、合わなかった時に会場を変更できるよう、会場を抑える前に「初めてなのですけど。」と素直に伝えてどこまで対応してくれる会場なのか確認しておくとベターです。

 

直営業

”初めてのイベント開催での有効な動員方法”で言えば、友人や知人に「来てください。」と直接営業をかけることに勝る方法はありません。

 

ここまでいくつか方法を書いてきた上で身も蓋も無くなってしまいますが、こと初めての主催イベントとなれば来場者のほぼ100%がこの方法からになると思います。

 

初主催に限らず、かなりの段階まで、この直営業に最も注力するのが現実的だと考えています。

私の感覚値になりますが、宣伝費をかけずとも少なくとも1,000人キャパくらいまではこの方法だけでも十分に動員可能だと断言できます。

 

友人・知人から「私の主催イベントなのでぜひ来て下さい。」と言われて検討さえしてくれない人はそう多くないでしょうし、告知力や宣伝費用が無い場合、ここまで書いてきたフライヤーやSNS告知でリーチできる人数はそう多くはありません。

 

例えばSNS投稿が1000人にリーチしたとしても、詳細をしっかり読んで行くかどうか検討してくれる人は多い場合でも10%未満でしょう。

対して、100人の友人・知人に直接連絡をした場合、100%に近い割合で、詳細に目は通してくれるでしょうし検討もしてくれるはずです。

 

その上で、ここまで書いてきたフライヤーやSNS投稿などをしっかりと行なっていることは、開催にかける熱量の裏付けになります。

 

友人・知人であれば無下には断られないとはいえ、必ず来てくれる訳では無いので、その来場確率を高める一番の動機付けは主催者(誘ってくれた人)の熱量です。

 

「時間あったら来て。」

と言われるのと、

「どうしても観て欲しい素晴らしいバンドが出てくれるから是非来て欲しい。」

と誘われるのではどうでしょう?

 

出演してくれるアーティストも、使用する会場のスタッフも同様に、主催者の熱意を感じるほどに集客に対しても協力的になってくれます。

 

まとめ

今回は小規模な個人主催イベントの話となるので、費やす時間や労力はコストとして当て込んでいません。

 

仕事としての音楽イベント開催となれば、稼働時間もコストとして考えるべきですし、プロモーション方法も交通広告やメディア広告など予算をかけた物が出てきます。

 

"4つの方法"とここでは書きましたが、厳密に言えば、最後の"直営業"の強度を高める為に他の3つも必要というイメージです。

 

そして、直営業は小規模な段階であるほどに重要度は高まります。

 

例えば、小規模ライブハウスに普段出入りされる方なら分かるかと思いますが、100人単位の小規模イベントほどに主催者の個人名が我々の目にも留まりやすい傾向にあります。

個人名を立てている方が熱量を伝達しやすい為、堅い動員を確保しやすいのが大きな理由の一つです。

 

一方、ビッグフェスなど大きなイベントになるほどに、主催者の個人名は知らなかったり、知っていても意識して来場はしていないと思います。

これは、予算を割いて動員力が担保されたアーティストをブッキングしている為、あとはそれを観たい人に周知さえできれば動員が作れるので、主催者の熱意を伝達する必要が動員上はあまり必要では無いからとも言えます。

 

自己啓発本のような物言いになってしまうかもしれませんが、特別な能力や交友関係、資金がなくても数百人単位のイベントであれば、熱量(やる気)さえあれば誰でも音楽イベント主催はできると私は考えています。

 

ブログという文字で伝達するという性質上、幾分ロジカルな説明をしましたが、むしろ何も考えないで勢いだけでやった方が(最初は)良いくらいだと思いますので、

「主催イベントやってみたい!」

と思ったならば、次の瞬間には動いてしまうような人が私の持論的には向いているかもしれませんね。

 

ではまた◎ 

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