ジャケ買い。
今や、音楽ジャケットに限らず、全ての商品パッケージに対して使われる常用単語になっています。
ここは音楽ブログなので、もちろん今回はレコード・ジャケットのお話。
私もレコードオタクが講じて、レコード店を開業したり、DJをやりまくったり、という人生を送ってきました。
その中でも数えきれない”ジャケ書い”をしています。
数多のジャケ買いの結果感じたのは、アートワークの優れたジャケットの場合、中身の音楽も素晴らしい場合がほとんどだという事。
そんな素晴らしいアートワークを生み出すデザイナーを10組、今回は紹介していきたいと思います。
【目次】
Peter Saville(ピーター・サヴィル)
マンチェスター出身のグラフィックデザイナー。正に巨匠ですね。
JOY DIVISION(ジョイ・ディビジョン)、NEW ORDER(ニュー・オーダー)などFactory Records(ファクトリー・レコード)のアートワークで知られ、その後もSUEDEやBJORKなども手掛けています。
ジバンジーやヨウジ・ヤマモトをはじめ、ファッション業界からの注目度も高く、近年ではユニクロでも彼のデザインのTシャツも発売されていました。
BANKSY(バンクシー )
イギリス、ブリストルのストリート・アーティスト。
いつの間にやら、地上波のニュースでも取り上げられたり、カルチャーに強い関心のない人にも認知されるようになっていて驚きです。
個人的には、2000年リリースのコンピレーション盤「We Love You So Love Us」で、その名前を初めて認識しました。※画像の上2枚
ステンシル技法による独特の雰囲気と、込められた社会風刺が特徴です。
Pete Fowler(ピート・ファウラー)
SUPER FURRY ANIMALS(スーパー・ファーリー・アニマルズ)のアートワークを手掛けるイギリスのグラフィック・デザイナー。
モンスタリズムと名付けられる独創的なモンスターデザインが特徴。
フィギュア化などもされていて、どれも非常にカワイイのでオススメです。 (高額でもないので)
TOMATO(トマト)
UNDERWORLD(アンダーワールド)のカール・ハイドとリック・スミスも設立メンバーに名を連ねるデザイン集団。もちろん、UNDERWORLDのアートワークもTOMATOによるもの。
スタイリッシュなタイポグラフィー使いが特徴的で、多くの企業広告のアートワークも手掛けています。
Frank Kozik(フランク・コジック)
数多くのUSオルタナロックバンドのアートワークやツアーポスターを手掛けるグラフィック・アーティスト。
名前は知らなくても、そのデザインを目にした人は多いと思います。
Hi-STANDARD(ハイ・スタンダード)の復活作もコジックによるもの。
Me Company(ミー・カンパニー)
ミー・カンパニーと言えば、BJORK(ビョーク)ですね。
特に3rdアルバム「Homogenic(ホモジェニック)※画像左」でのインパクトは鮮烈でした。
Mike Mills(マイク・ミルズ)
映画やCM、ミュージックビデオなどの映像監督として有名ですが、SONIC YOUTH(ソニック・ユース)やBEASTIE BOYS(ビースティ・ボーイズ)、AIR(エール)などのレコード・ジャケットも手掛けています。
Andy Warhol(アンディ・ウォーホル)
ウォーホルは、”ジャケット・デザインの”という感じでもないですね。
ですが、VELVET UNDERGROUND(ベルベット・アンダーグラウンド)やTHE ROLLING STONES(ザ・ローリング・ストーンズ) 「スティッキー・フィンガーズ」のレコード・ジャケットは、今でもジャケット・デザインを語る上で最も有名なものとして外すことはできません。
Steve Keene(スティーブ・キーン)
今回紹介する中では一番マイナーかもしれません。
アメリカのアーティストで、APPLES IN STEREO(アップルズ・イン・ステレオ)やPAVEMENT(ペイヴメント)のジャケットで知られています。
木の板をキャンバスにしたダイナミックなタッチに、根強いファンも多いです。(私もその一人です)
信藤三雄
フリッパーズ・ギターやピチカート・ファイヴをはじめ、Mr.Children、サザンオールスターズ、SMAPなどのビッグ・アーティストのアートワークを多数手掛ける国内を代表するアート・ディレクター。
特に、”渋谷系”のファッション的なイメージは、氏の功績によるところが非常に大きいと思っています。
まとめ
今回は、10組のデザイナーをご紹介してきました。
いずれも私自身がとても敬愛している独断と偏見によるセレクトになりますが、概ねどなたからも賛同いただけるかとも思います。
今の時代はサブスクなどでどこでもすぐに音楽を聴くことができますが、かつては違いました。
試聴機はあれども、”買わないと聴けない”場合も多くありましたし、情報源も音楽雑誌やクラブイベントでの口コミくらいしか頼りはありませんでした。
そんな中でレコードを選ぶのに、ジャケット・デザインの担う役割は大きいです。
ここでは紹介していませんが、例えば、SEX PISTOLS「勝手にしやがれ」や、NIVANA「ネヴァーマインド」は、あのジャケットを無くしては語れません。
今回、ジャケット単体ではなく、デザイナーにフォーカスしたのには理由があります。
こと、アートは原画となると非常に高価でそのためどうしても関心を持ちにくいです。
アナログレコードやCDであれば、本来は数十万、数百万とするデザインを、手頃な価格で手に入れて触れることができます。
そして、冒頭に書いた通り、優れたジャケットデザインには、収録された音楽も良質な場合が多いと思います。
音源だけでなく、ジャケットにも注目してみると、一層楽しい音楽ライフが送れると思いますので、ぜひ”ジャケ買い”も してみてください。
では、また◎