TINY MUSIC LIFE

音楽を仕事にする方法やビジネス論、考察や小ネタなどをお届けする音楽情報ワンパーソンメディア。by TINY RECORDS八木橋一寛

「所属会社の名前で働き過ぎない方が良い」という話

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人向けの考え方ではないと思っていますが、今日は「所属会社の名前で働き過ぎない方が良い」というお話をしたいと思います。

 

この考え方は20年以上の長い間、私が徹底している唯一(?)の強いマイルールでもあります。

 

何故そんなマイルールを課しているのかという事を中心に、その考え方に至った理由などを書いていきたいと思います。

 

 

このマイルールに至った理由

そのきっかけ

発端は、キャリアアップやスキルアップを意識したものではありませんでした。

単に、

「所属組織の力を自分のステータスに置き換えてアピールするのってダサいな。」

と感じた為、自分はそれはやりたくないと思ってしまったという感情論をきっかけとしていました。

 

近年ではヤンキーや不良みたいな学生さんは少ないかもしれませんが、私の学生時代にはゴロゴロいました。

ヤンキー漫画なんかではお馴染みの啖呵に、「お前どこ中(中学校)よ。」みたいな発言がありますが、まさにソレです。

 

私の学生時代にはマンモスヤンキー学校(笑)みたいな所はありましたので、実際にそんな感じで所属学校のヤンキー度数でマウントを取ろうとしてくる学生はザラにいました。

その都度、心の中で「いや、お前自身の戦闘力はどうなのよ。苦笑」とツッコミを入れていましたし、実際にそういったイキリを見せる人はおしなべて弱そうでした。。。涙

 

暗にそういったイキラー(苦笑)へのアンチテーゼ的に、私は全身デザイナーズブランドを身にまとい、パッと見は全く不良っぽくも喧嘩をしそうにも見えないようにあえて振る舞い、イキラーをおびき寄せては絡んできたら成敗する。という性格の悪い、今で言う朝倉海のような対抗手段を講じていました。苦笑

 

大人になれば、喧嘩なんて何の役にも立たないとみんな分かるはずだし、そんなイキラーの相手をするのも学生時代だけだとタカをくくっていたのですが、驚くべきことに、社会に出てもイキラーは存在していたのです。。。

 

それが、「俺、○○○(有名な会社名)で働いているんだけどぉ。」とマウントを取ろうとしてくる新手のイキラーでした。。。

そんなイキリを見せられる度に、心の中で「いや、お前自身の能力はどうなのよ。苦笑」と、学生時代と同じツッコミを入れさせられる羽目に合うのでした。

 

その為、社会人になってからもこの手の"所属組織で自己アピールをする"という行動に強い抵抗を抱き続ける事になってしまい、実益は関係なく、自分のプライドやマインドとして「それだけは絶対にやらない」と考えるようになったのです。

 

確信に変わったマイルールと強すぎる名刺の力

これまで、自営業やフリーランスをやってきただけではなく、会社や店舗に所属して勤めたことも勿論ありました。

どの勤務先においても、強く意識していたのは「名刺で仕事をしない。」という事でした。

 

当初は上述のプライドやマインドからそうしていただけでしたが、そのマイルールを続けていると、仕事の上でも有益に働くことがあると実感する事になります。

 

それは、

転職時に人や仕事が離れにくい。

という実感です。

 

例えば、ライブハウスでブッキングの仕事をしていた時には、出演者は私がその会場で働いている事を知らないケースが多々ありました。

口頭だけでなくSNS上でも、わざわざ「ここで働いています!」とは言っていなかった為です。

(隠している訳ではないので、見ていれば「働いているのかな?」とは分かるとは思いますが。)

 

これを「この店・会社の人」という印象を強め過ぎたり頼り過ぎてしまうと、退職や転職をした際に、嫌な言い方をすれば、「もう用済み」のように思われてしまう事があります。

理由は、仲良くしておけば「安く会場を借りれる」「良い条件で誘ってもらえる」といった会場スタッフならではのメリットへの期待に、「この人はもう応えられない」と判断されてしまう為です。

 

これが、その店やその会社の人としてではなく、自分個人に対しての評価として集めていれば、「退職しても関わりたい」「仕事を頼みたい」と転職先でも人や仕事が離れずに保たれる事が多い実感があり、更にこのマイルールへの意識は高まりました。

 

転職経験のある方なら共感いただける部分があるかと思いますが、仕事上での付き合いとなれば本当に"名刺"の力は大きいです。

それだけに、自分ではそんなつもりはなくても、周囲は名刺で判断をしてくる事が多く、「転職してもあの会社やこの会社と取引できるから安泰だろう。」なんて思っていると、連絡さえ取れなくなる事だって少なくはありません。

私自身、これだけ気をつけていても、転職をする度に連絡が取れなくなる人はどうしても続出してしまいます。。。

 

そんな悲しい人間付き合いを少しでも軽減する効果を、このマイルールに感じ得たのです。

 

このマイルールの前提

このマイルール実践の効果が実感できるのは、退職・転職時になります。

その為、「この会社に骨を埋めてやろう。」という覚悟の方であれば、そもそも転職する可能性が低いので、むしろ会社や名刺の力を存分に使いしゃぶり尽くす勢いの方がメリットは大きいかもしれません。

 

実際、私が見てきた範囲だけで言えば、名刺の力を躊躇なくフル活用しているタイプの方が上司受けも良く出世もしやすい傾向があるように感じています。

それも当然で、名刺の力を振り回したいと思えるという事は、その人にとってはその会社に所属している事が誇らしいという意味でもありますから、社長や上司から見れば「愛社精神がある」とさえ映るでしょう。

 

反対に、個人の力で動く社員は従順でもなく可愛げがありませんし、愛社精神だって薄いように見られてしまいがちです。

 

ですので、転職を視野にいれている方や、特に起業や独立を考えている方においてのみ、有益に働く可能性を持つマイルールと言えるでしょう。

 

今後の時代を見据えると...

SNSの発達や長期に及ぶ不況などにより、"個人の時代"と言われて久しいですが、コロナショックを受けてその流れや可能性は強まりや確度を上げているように思えます。

 

「絶対に潰れない」という会社は皆無と言って良いかもしれません。

 

所属会社に自分の時間や評価を全ベットしていて「その組織の人」としてしか見られていない人と、「何かやりそうな人」だと思われている人がいれば、後者に人や仕事は集まるように考えられます。

 

これまで周囲の人に「名刺で仕事はしないほうが良い。」という旨の発言をするたびに、「何を言ってるんだコイツは。。。」そんな顔をされた事も多々ありましたが、今なら少し理解してもらえる気もしています。

 

会社が保証してくれているのは働いた期間に対しての対価のみで、定年までの収入を確約してくれている訳では無いので、私などはその程度の恩恵で自分の人生をコントロールされる筋合いは無いように思ってしまうのですが、これは多分極端な考えでしょうね。苦笑

 

最後に(まとめ)

念のために書き記すと、このブログは「音楽業界向け」になるので、他の一般企業に比べると規模も小さく不安定な業界だという事も、この考え方に影響をしていると思います。

 

一部の大手レコード会社を除けば、単なる就職ではなく、何らかの"志"があって飛び込む人の多い業界でもあると思っていますし、それであれば尚更、自分の能力や知識、信用をそのまま会社に差し出すのはシンプルに勿体ないという思いもあります。

 

とはいえ、他者と比べると私はハミ出し気味の思想を持っているようなので、冒頭に書いた通り、万人に向けられるマイルールでは無いと自覚はしていますが、もし近いマインドの方がいらっしゃれば参考に、そうでなければ「こんな奴もいるんだ」程度にご査収頂けましたら幸いです。

 

ちなみに、世の中には「すごい良い奴・愛されキャラ」というチート技を無意識に持っている人がいて、そんな方であればここで書いたような事は一切気にせずにいてもゴキゲンな転職や起業が可能だと思っています。笑

 

ではまた明日◎  

 

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