TINY MUSIC LIFE

音楽を仕事にする方法やビジネス論、考察や小ネタなどをお届けする音楽情報ワンパーソンメディア。by TINY RECORDS八木橋一寛

Go Toイベント一時停止が及ぼす音楽イベントへの影響予測

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「なんだかなぁ。」と思う筆者...。

西村経済再生担当大臣による昨日の記者会見で、Go ToイベントやGo To商店街に対し、

「今月28日から来月11日までの間に開催されるものは、一定の周知期間のあと、全国一斉に新規販売を一時停止するなどの措置を講じる」

という発言がありました。

 

Go Toイベントそのものがそこまで認知されていない面があるのでパッと分かりにくいかもしれませんが、要は、「その期間はGo Toキャンペーン施策としてのイベントチケットの割引を停止する。」という趣旨の発言です。

 

これは当然、東京都内を中心に加速する新型コロナ感染拡大を受けてのものです。

 

今日はこのGo Toイベント一時停止が及ぼす音楽イベントへの影響予測をしていきます。

 

「Go Toイベントとはなんぞや?」

という事については、以前以下の記事でまとめていますのでもし詳しくご存知のない方はこちらもご覧ください。

ここでも書いていた通り、政府主導によるイベント来場に対して割引に予算を割いている訳ですから、Go Toイベントという存在自体が暗に「イベントに行って良いですよ。」という宣言として受け取る事ができました。

 

そして、今回それを一時的に停止し取り下げるという事は、「イベントに行くのは控えてください。」というメッセージとして受け取ることができます。

 

ただこれ、Go Toイベントを停止するだけで、例えばライブ会場などはその間も営業は止められていませんし、営業を続ける会場がほとんどになるでしょう。

 

このブログでは"音楽"や”音楽業界”についてを書いていきたいので、政治的主張という事では無いのですが、シンプルに感染拡大を続けている中で、政府の予算を投じてまで外出を促すというのが得策では無いのは納得ができますが、イベント開催を止めている訳では無い事から「う〜ん...。」とならざるを得ません。

 

Go Toキャンペーンの大半を占める巨額予算を投じたGo Toトラベルの場合には、その割引率の凄まじさがあるので(実質50%オフ)、停止をする事で旅行を制限する一定の効果があると思います。

 

私自身もGo Toトラベルを利用して旅行を既に幾度かしています。

理由は旅行に行きたくて仕方がなかった訳ではなく、抜群に安かった為です。(あとは極力経済的な消費行動をしたいという事も少々。)

 

これがGo Toイベントとなると、【2割相当分(最大2000円分)の割引・クーポン等が支援されるのみ】となります。

割引率の低さや2000円という低い上限もありますが、こと音楽イベントやコンサートとなると、"安さ"というのは消費をコントロールする術としては効果が薄いと私などは思ってしまうのです。

 

この心理を例えるのなら、

「家族や恋人に会いたいという欲求に対し、それに掛かる費用は影響しない。」

といった具合にです。

もちろん、海外移動などで会う為に数万円や数十万円が掛かるという事であれば、会いたいという欲求は変わらずとも、金銭的事情で会う回数に影響はでるでしょう。

しかし、たった2000円割り引かれるかどうかで、その回数が変わるとは考えにくいのです。

 

その事から以前Go Toイベントに触れた記事でも「高い効果は期待できない。」と書きましたが、これを停止しても同様に高い効果は期待出来ないのです。

 

このGo To イベントの一時停止によって生まれる効果は、音楽イベントに限って言えば、単に「イベントにはまたしばらく行かない方が良いのかな...?」と考える人が少しだけ増え、「安くなるから行っていた訳では無いから、開催しているのなら変わらず行こう。」という人はほぼ変わらずに存在するでしょう。

 

加えて最もマイナスなのは、消費行動抑制としてのアナウンス効果は弱いながら、「イベントに行くのは控えてください。」というメッセージが出されたとは受け取れる為、来場をそもそもしない層からのバッシングの恐怖から、イベント主催者が開催控えをする事です。

 

つまり、政府の(表向きの?)意向としては、「経済も止めたく無いので休業要請は出さないけれど、感染拡大も防ぎたい。」としつつも、結果としては「営業しても良いけれど、消費者はそれに行かないでください。」という矛盾を投げかけているに過ぎない為、待っているのはイベント関係各社が困窮するのみとなるでしょう。

 

と、そもそもGo Toイベントの内容自体に「なんだかなぁ。」と感じている上での一時停止だったので、音楽イベント事業者目線で言えば、「だったら最初からGo Toイベントなど無いほうがマシだった。」というのが、このニュースを受けての私自身の率直な所感という訳でした。

 

繰り返しになりますが、消費者がこれで来場控えをすることはあまり無いであろうにも関わらず、主催者が開催を控えざるを得なくなるだけというのが「ホントもう...。」って感じです...。

 

ではまた明日◎

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